バラッド30曲で1冊

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バラッド30曲で1冊

  • ISBN:9784041371558

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内容説明

この世界が見える場所で、しかし少し隔離されながら、2人がしたこと

男女がいる。ホテルの中だったり、
セダンやクーペに乗っていたり、そうして
この世界が見えながら、囲みの中に区切られた空間で
彼女たち、彼らは会話を交し、服を脱ぎ、
いま自分たちが行なっていることの意味を反芻したり
あらぬ想像をめぐらしたりする。そんな情景が30。
せわしない世の流れからやや隔たって、いくらかスローな
静かな日々の断片がここにある。
小説による季節のアルバムを聞こう。

※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録

【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/

目次

ベッドが三つある部屋
これはメロドラマ
ブルーの選びかた
理想的な窓
窓にカーテン
昼寝
思い出の夏
彼女と彼1
彼女と彼2
電話をかけるだけ
コパトーン
彼と別れた彼女
ケチャップはあまりかけない
セーターを脱ぐ
飽きたら言って
海の香りと電話ブース
ふたりでいても淋しい
切り花
いつも小道具
交差点の横断歩道
桜前線
雪が降る
小さな花
林檎が燃える、あるいは飛ぶ
来てくれた彼女
日曜日の白い月
縛られてみないか
ベッドに戻れ
微笑の研究
雨の夜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kishikan

9
「バラッド30曲で一冊」このタイトルに惹かれる。片岡義男の作品はタイトルが良い、ホントにいい。今回もカード風のフォトエッセイ。バラード風じゃないけれど彼と彼女の30のショートストーリに風景写真。片岡風って言いたいところだけど、でも、今回の出来は・・・・。物語も写真もいまいちかなぁ。第一泣かせるストーリーもないし、車にしても海のシーンにしても躍動感や移りゆく季節を感じないもの。コパトーンを始め、小物の使い方はうまいのになぁ・・・。やっぱり、これははずれだろうなぁ。2012/05/04

moonset38

1
「微笑みの研究」がやはり片岡氏らしいと感じた。2016/08/01

スズキィイ

0
iTunesなどでアルバムを一曲ずつ視聴できたりするが、これはそうやって片岡義男の文章を少しずつ楽しむ本。おしゃれで恋愛をゲームのように楽しみ、ムードに包まれて都市や郊外で華麗に過ごす人々を、これまたイメージを増幅させる(というかイメージ通りな)写真でデコレートして編まれた、いわゆる初心者にとっては入門版でありファンにとっては次の片岡義男作品を求めるようになる一冊。2017/10/27

TAC

0
87年読了

たくみ

0
作者としては「小説の意匠を借りた俳句」を作りたかったんだろうと夢想する。俳句にある「わびさび」をわざわざ「バラッド」という単語で包んだという感じ。或いは単に、写真の方法論を小説にしただけなのかもしれないが。2016/03/21

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