内容説明
あざやかさとは無縁のそのラスト・シーンが、
生きていることの証し。
17歳、夏休みの高校生。
いくら眠っても眠気の取れない若い肉体が
平穏な眠りをむさぼっている時、
届いた一通のありふれた絵葉書が事態を急転させる。
同じ17歳の少女から届いたその葉書は
実は3通存在し、なぜその3人に届いたのかもわからないまま
ひたすら受け身の動揺の中にたたきこまれながら
少年たちは必死にオートバイを走らせる。二度、走らせる。
その2回のラスト・シーンは果たして・・・・・・
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。