彼らがまだ幸福だった頃

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彼らがまだ幸福だった頃

  • ISBN:9784041371466

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内容説明

生きることは、見ることのレッスンだ

徹底して「見る」ということを主題にした長篇である。
刻々と変化する時間と風景の中で何をどう見るのか。見て記憶するのか。
見ることを精密にするためにこの小説で導入されるのが写真。
男は写真を撮ることを通じて「見る=思う」ことを学ぶ。
そして女はいつも見られる存在でありつつ、「なににもならないままでいる」ことを続ける。
場所が変化する。ホテル、という中立の場所がある。
オートバイもある。それらはすべて「見る」ことのための好ましい環境だ。
「見る」「見られる」ことができている時間が幸福の時間である。

【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kishikan

16
巻頭のモノクロ・カラーの写真を眺め、それから小説のページをめくる。バイク、高原のホテル、写真、淡々とした話のようで、でもやっぱり片岡義男だよなぁ。70年代アメリカン・ポップスを日本風にアレンジした、それでいて抑揚はないけれど、何か情熱を内に秘めた物語。あまりにも情報があふれていて、それもインターネットですぐに情報を手に入れられる現代では、このような小説は味気ないものに映ってしまうのだろう。文章から映像や心の動きを自由に想像する面白さ、それを味わえるこのような本が少なくなってしまったなぁ・・・。2012/05/14

りんご

4
偶然知り合ったライダーの男女の物語。 雰囲気を味わいます・・・2021/10/09

moonset38

0
何にもならない、なりたくないというのは、貧乏なのか。2017/01/29

TAC

0
85年読了

りょうけん

0
面白かったとか感動したとか、なぁんにも無い本です。 まあ、強いていえば空気みたいに軽い本、かな。 いくら読んでも満足はしないし、また表題のように幸福にもならない本です。 なぜ、このような本たちに、その昔若かった頃は夢中になっていたのだろう。 一種の流行病のようなものだったのだと、今は思う。 ああ、片岡義男、あとまだ何冊あったかなぁ2011/11/09

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