緑の瞳とズーム・レンズ

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紙書籍版価格 ¥409
  • Kinoppy

緑の瞳とズーム・レンズ


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内容説明

この作品をD小説と呼ぼう。DはデザインのD、そしてディスカッションのDだ

女性が1人と男が1人。
女性は金髪で緑色の瞳をした経済学者。男は写真を撮る者。
2人は日本中のさまざまな場所を共に散策する。
太平洋や、埋立地、寺、灯台、内海・・・
どこに身をおいても彼女は風景に溶け込むことなく際立ってしまい、
それがまるで広告写真のようだ、と男は感じる。
2人は各地を歩きながら、相当に理屈っぽい、長いセリフの会話を交わす。
それは現代の、この日本という社会への痛烈な批判であり、文明批評でもある。
2人は空間と時間に向き合うささやかなデザイナーとして日々を生きる。

【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/

目次

最初の七ページは、荒れ模様の冬の海とその海岸のために
初冬の湖に浮かぶアヒルのボートの、悲しい奥行きを観察する
埋立地の遊歩道、そして離陸していく飛行機に、人類の運命を見る
あなたの光は私の心も照らします、と彼女が囁く
飲料水の自動販売機が、雨に濡れて端から端まで連なる国
二十年をあいだにはさんで、過去の物語と現在の物語が進行する
町なみのディテールのすべては、そこに生きる人の心の内部
散歩をしよう。そしてその途中で、コーヒーを飲みたい
ほんの少しだけ昔、下駄をはいて電球をひとつ買いにいった人
標高千二百メートル。六月の夜、心地良く冷たい風。革新された技術は、なんのかかわりを持つのか
西陽の当たる町で、影を失いつつ僕たちは途方にくれた
マネキンのセクシーな喉もとで、残暑の一日が終わる
巨大な大橋を仰ぎ見る、海に面した町にはどのような時間があるのか
一年まえのおなじ日、おなじ海岸のおなじ場所で、砂の上に倒れる

 

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