内容説明
雨は天から降ってくる涙。
地上で受け止める2人の会話劇を読む。
梅雨前線が停滞している日本列島。
多くの人々がうっとうしさしか感じない季節に
「雨が大好きだから」という女と
「ぼくもそんなに嫌いじゃない」男がめぐり合う。
ヒマで時間のたっぷりある同行二人は、モーテルの中で会話を重ねていく。
現実世界の重力から開放された男女が
空から降ってくる「星の涙」の下を軽やかにすべる、
その道中を共にするのはもちろん「スカイライン」だ。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。