内容説明
2人であることは、4人である、ということ
月。ピクニック。焚き火。膝。蜜柑。涙。風鈴。紅茶。霧。窓。
この中篇小説は2部構成になっていて、第1部はもっぱら
2人が過ごした様々なシーンのスケッチにあてられている。
1つひとつはとても短い章(シーン)がミルフィーユのように層をなして
結婚前の2人を表現している。
そして第2部は2人の現在だ。そこには、過去の思い出の反芻とともに
2人であることとは何か、結婚とはどういうことか? という問いが日々更新され、
結果としての結婚ではなく、常に生成されていくものとしての結婚が描かれている。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
目次
第一部 過去の出来事
第二部 現在のふたり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
4
片岡さんにしては珍しく幸せな結婚についてのお話 良い雰囲気です2022/12/31
moonset38
1
片岡作品の中ではもっとも難解というか、「何もの?」という感覚を受けました。彼と彼女、途中で別の人たちのことかなとも感じたり。それも全部ひっくるめての片岡ワールド全開です。2022/01/22
たくみ
1
長編というよりも「同じ作者が撮影したスライドを連続して投影した際に浮かび上がる印象を言葉にした」かのような感じ。今風に言えば「インスタの誰かのタイムラインを延々と見た挙句の印象を言葉にした」かのような。テーマ性はあくまで読者に委ねられているように思うが、一定の印象ないしは感想の終着点は、複数の読者で共有できそうな、不思議な作品である。嫌いではないが。2018/08/06
TAC
0
89年読了
eriiiiiiiiiiy
0
初片岡義男でした。2013/12/02