内容説明
「ただのラブ・ソング」と
「アナザー・ラブ・ソング」。
月明かりのハイウェイを、巡業用バスが走っている。
運転しているのはアマンダ。女性として、妻として、母として完璧であり、
カントリー・ミュージシャンの夫は、あらためて惚れ直している。
結果、20年前のヒットに並ぶ傑作「アナザー・ラブ・ソング」が生まれた。
だがしかし、巡業やカントリーを取り巻く様々な人々がすべて幸福なわけではない。
だからこそ、アマンダの充実した人生は輝いている。
私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズの中では
事件らしい事件の起こらない地味な一編ながら、読後に深い余韻を残す作品である。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。