内容説明
離婚暦、4年の歳月、初夏の東京。
2人のシャイネスは、言葉で防波堤を築く。
女が営む店の名前はウェンディ。
ビーチボーイズのナンバーから取られている。
いちばん大切な存在だったのに、
去ってしまったウェンディという女の子を歌った曲だ。
時々店に顔を出す男は、ここへ来て4年になる。離婚暦アリ。
彼女の誕生日に、男は、金がなくて贈り物ができない
若い男性が登場する映画の話をしたりする。
店を閉め、外を歩き、2人は今までにない段階に入る。
それを「幸せ」と呼ぶことをためらいながら、体と言葉を重ねていく。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。83年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。