内容説明
別れ話は3度。そして
空には、ブルー・ムーン。
女と男がいる。
女が「終わりにしたい」という。男は「なぜ?」と聞く。
人類が、これまで無限に繰り返してきた行為だ。
いったい、平行線ではない別れ話というものが、あるだろうか?
終わりにすることと嫌いになることは違う、という言葉がそこにあり、
しかしその言葉は2人のあいだで共有されない。
されないまま、しかし2人は3度、話すために会う。
一度目と二度目は雨。しかし三度目は晴れた。
すべてを終えて、窓から見えるのは、きれいなブルー・ムーン。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。86年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。