あとがき

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紙書籍版価格 ¥2,970
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あとがき

  • ISBN:9784794970602

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内容説明

あとがき・から始まる/あとがき・から読む/あとがき・から考える/あとがき・から見えてくる/あとがき・で語る/作家・片岡義男のエッセンスが満載!

「ぼくは〈あとがき〉を書くのが大好き。〈あとがき〉を考えると次回作への期待とアイディアでいっぱいになる」……1970年代から現在まで40年以上にわたり、次々に新作を発表し続けている作家・片岡義男。その作品はもちろんだが、じつは〈あとがき〉がすこぶる面白い。1974年刊行の『ぼくはプレスリーが大好き』から2018年の新刊『珈琲が呼ぶ』まで、単行本・文庫にある〈あとがき〉150点あまりを刊行順にすべて収録。片岡義男のエッセンスが満載の一冊!

【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。

目次

1970年代  
『ぼくはプレスリーが大好き』『10セントの意識革命』『友よ、また逢おう』『ロンサム・カウボーイ』『スローなブギにしてくれ』『ヘルプ・ミー! 英語をどうしよう』『町からはじめて、旅へ』『彼のオートバイ、彼女の島』『サーフシティ・ロマンス』『スターダスト・ハイウエイ』『アップル・サイダーと彼女』『波乗りの島』
以下--
1980年代 
1990年代 
2000年代 
2010年代  
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

28
片岡義男の書くものを読むたびにその文体(いや「声」か)の力強さ/明快さ/明晰さに唸らされる。彼が英語をベースとして考えているからというのもあるのだろうし、コミックを読む少女たちの姿から小説を平明に書く着想を掴んだ逸話が教える通り根っこの部分で読者を信頼して言葉を投げかけている、その野心とポジティブな態度もまた由来しているのだろう。この「あとがき」集を読み返していると驚くほど彼が初期から独自の文体を生み出し、クリスプな姿勢を貫き続けてきたことを教えられる。彼の文章こそ「他者」が生み出したエクリチュールでは?2023/02/22

踊る猫

26
多分片岡義男の中では、書くことと考えることはつながっているのだろう。物事について批評的に捉え、そしてそれについて理知的に考える(その過程で自分の中で「彼女」を召喚させ、自己内対話に励む)。そうして得られたものについて書く。そうすると書いたものが彼の眼前に現れ、彼は読者として彼の書いたものを読むことになりさらに思考は膨らむ。そうしたサイクルを自然体で行っているところに彼の強みがあるのだろうと思う。本を「あとがき」から読むくせのある私としてこの企画は非常に面白く思い、片岡の芸達者(?)な側面を知ることができた2022/08/12

aloha0307

23
すばらしい企画の本書☺ 自称 あとがき好き の片岡さん。長文もかなり...ルーツがEプレスリー そしてブルース(ロックンロールでなく)にあったとは驚きです。漢字を少なく、ひらがなを多くして分かりやすく若者受けする作品を...編集者からの言葉で路線転換した第一作があの”スローなブギにしてくれ”(古尾谷さん 懐かしい...)なのです。その あとがき が秀逸 ”小説による もてなし”です☺ ”書き手の頭から言葉を介して読み手の頭へと移植されていく” 物語はすべてそれを読む人のもの、と仰っています☺2019/04/20

踊る猫

22
片岡義男は、もしかすると池澤夏樹的な「旅行者」なのかもしれないし、田中康夫的な「風俗作家」なのかもしれないし、思慮深い思想家/知識人なのかもしれないとも思う。時代と同衾しつつ/時代を乗りこなしつつ、しかし淘汰されることなく成熟して生き残って来た。そんなひとりの「遊歩者」(?)の姿がここにあるように思う。固有名詞が殆ど登場しないので、今読んでも全く古臭くなっていないことに驚く。片岡義男が評価されるべきなのはむしろこれからなのではないか、とも思われるのだ。そんな可能性を垣間見せてくれる書物として、大いに推す!2018/10/25

踊る猫

18
ここまで言葉にこだわる作家だとは、と(2度目の読書であり、あるいは彼の他の本を読んで知っていたことではあったにしろ改めて)唸らされてしまう。風俗小説を量産していた頃の彼も、実はその当時の出版業界や映画産業の盛衰を睨んで書いていた戦略的な批評家であったことがわかり、それを読むだけでも従来の彼のイメージを刷新するきっかけにはなるだろう。次々とエネルギッシュに本を出していた彼の日記でもあり、書くことがそのまま考えることでもあった彼の思索の歴史をたどる本としても読める。どの考察にも後の仕事に繋がるヒントが存在する2021/11/08

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