内容説明
20代の片岡義男自身の物語を描いた、著者初の自伝小説。当時の音楽と作家以前の「僕」の物語
片岡義男が学生生活を送りながらライター業を始めた1960年から、作家としてデビューする1973年までの彼自身の物語を、当時のヒット曲と映画を背景にして綴ったショートストーリー集。登場する全ての曲のレコードのスリーブと、一部の映画のパンフレット表紙がカラー写真で掲載され、その当時を音と写真と言葉で感じながら読み進む事ができる一冊。1篇1篇はとても短く、数分で読み終えるものばかり。しかしその数分は、その時代の数分である。それ故か、読んでいるとコーヒーの香りが鼻をくすぐるような感覚になる。
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
目次
目次(44篇中の一部)
・ディーン・マーティンもリッキー・ネルスンも、いまのうちだから
・あのペンネームはどこから来たのか
・大学の四年間は一通の成績証明書となった
・営業の人になりきったら、それ以外の人にはなれないでしょう?
・あなたは、このコーヒーの苦さを忘れないで
・彼は鎖骨の出来ばえを語る。隣の店ではボブ・ディランが語る
・バラッドは彼女の全身に吸いこまれていった
・みなさんのお店ですから、気をつけてください
・ビートルズ来日記者会見の日、僕は神保町で原稿を書いていた
・美しく楽しい本を、まだ僕は一冊も作っていないではないか
・ヘルスセンターで、ジャニスは祈る
・トラヴェリン・バンド。橋を渡る美人。黒いニットのタイ
登場するレコード(121枚中の一部)
・『夏の日の恋』(パーシー・フェイス・オーケストラ)
・『ブルースの真実』(オリバー・ネルソン)
・『霧子のタンゴ』(フランク永井)
・『赤いハンカチ』(石原裕次郎)
・『ビー・マイ・ベイビー』(ザ・ロネッツ)
・『東京ブルース』(西田佐知子)
・『骨まで愛して』(城 卓矢)
・『パープル・ヘイズ』(ジミ・ヘンドリックス)
・『イエロー・サブマリン』(ザ・ビートルズ)
感想・レビュー
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