内容説明
そうしよう、と思ったら、そうしてしまう。
行き着く先は、やさしい最終夜行寝台。
タイトルが示すように最終夜行寝台が舞台にはなっているが、
おそらく、読む前に想像できるイメージとは違っているはず。
その寝台には、女が1人で乗る。
そして、女が立て続けに酒を飲む、という時の
感情の動きや事の顛末なども、
これまで多くの物語が紡いできたものとは違っているだろう。
最終夜行寝台は、きちんと定刻ごおりに任務を遂行するはずだ。
そして寝台のベッドは、上段ではなく下段で、ほんとうによかった。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。87年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。