内容説明
孤独が孤独であるためには、孤独同士は交わらないに限る
まるでアフォリズムのように短い断章が並び、
しかしアフォリズムとは違って、
かすかにストーリーと呼べそうな出来事が続いていく第1章。
自らの発想ではなく、しかし仕事としての
オートバイによる長距離輸送を選び取ることがすなわち、彼女にはふさわしい。
1人であること。長距離を走ること。それはすなわち、孤独であることに他ならない。
第2章の主役は男だ。ここではしきりと「結婚」という言葉が口にされる。
そして最後、第3章が来る。さあ、そこで彼女と彼はどうなる?
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
目次
第一部 中島美雪の夏
第二部 後藤祐介の夏
第三部 中島美雪と後藤祐介の、夏の終わり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ichi-papa
29
「幸せは白いTシャツ」に続いて、片岡義男さんの世界に浸りたくて再読。「中島美雪の夏」はバイク乗りの話として、さわやかに読めました。ただ後半「後藤祐介の夏」はちょっと主人公が軽率に過ぎるかな。「おいおい、本当にどうすんねん!」とかなり心配になりました。片岡義男さんのバイク小説の中では、中の中かな。2016/08/02
ガミ
5
1人の女性の長距離ツーリングと結婚を申し込んで苦悩する男性のそれぞれの世界を描いた物語です。1人の長距離ツーリングは、淡々としつつ、時にたどり着いた場所でのんびり過ごす…そんな醍醐味が描かれ、久しぶりのツーリングの様子を楽しませてもらいました。男性については、ネット社会が今ほど発展していないのもあったのか、誤った判断をしてしまった結果故のツーリング。彼はどうなってしまうのでしょうか。2021/01/31
かずくん
1
StayHomeで押し入れから見つけた片岡作品。バイクシリーズとのことで幸せの白いTシャツの後に読んでみた。なんだぁこりゃというストーリー。ちゃんと最後に話はつながるのだけれど...。小説というより散文詩かな。むかしたしかによんだんだよたなぁ!?2020/05/10
ディープなつまみぐい
1
変わらず、ほんとに透明感のある文章。 すらすらと読めた、第一部は良かったかな。2018/10/14
だとじう
1
こんな話だったんだ。四半世紀前に読んだ時はよくわからなかったが、なんともいやはや。。。2017/04/23