内容説明
女と男とカーチェイスと
拳銃があればすなわち、映画だ。
映画を小説で実行した、という構えを持つ短編。
図体の大きい、目立ちすぎる車をまず登場させ、
そこで女と男のささやかな再会劇がある。
男の素直な、あるいは幼稚な、と言ってもいい願望が語られ、
女の現在の願望、状況が語られ、
あっさりとピストルが導入され、
あとは適切にシーンごとにアクションとショットを重ねれば
物語は最後の場面に突入する。
主役2人にとっては、極上のハッピー・エンディングだ。
【著者】
片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。76年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。