ネット右翼とは何か

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ネット右翼とは何か

  • 著者名:樋口直人/永吉希久子
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 青弓社(2021/07発売)
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  • ISBN:9784787234544

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内容説明

愛国的・排外的な思考をもち、差別的な言説を流布させるネット右翼。その書き込みを目にするのは日常生活の一部になった。しかし、ネット右翼の実態はわかっておらず、断片的な情報やイメージに基づく議論も多い。

ネット右翼とは何か、誰がネット右翼的な活動家を支持しているのか――80,000人規模の世論調査、「Facebook」、botの仕組みなどを実証的に分析し、インターネット文化の変容と右翼的言説の関係もあぶり出す。

ネット右翼の実態を多角的に解明して、手触り感があるネット右翼像を浮かび上がらせる。

目次

まえがき 樋口直人

第1章 ネット右翼とは誰か――ネット右翼の規定要因 永吉希久子
 1 ネット右翼とオンライン排外主義者は異なるのか
 2 どのような人がネット右翼になりやすいのか
 3 どの要因の効果が強いのか

第2章 ネット右翼活動家の「リアル」な支持基盤――誰がなぜ桜井誠に投票したのか 松谷 満
 1 ネット右翼活動家を支持しているのは誰か
 2 ネット右翼活動家を支持するのはなぜか
 3 ネット右翼活動家に対する投票の規定要因

第3章 ネット右翼の生活世界 樋口直人
 1 ネット右翼に関するイメージの欠乏――問題の所在
 2 ネット右翼が可視化するとき――「慰安婦」合意に対する右からの叱咤
 3 ネット右翼の活動と生活の接点
 4 ミリオタ、宗教、武道――ネット右翼のサブカルチャー的背景
 5 リアル空間とネット右翼
 6 ネット右翼の三つの世界――結語に代えて

第4章 ネット右翼と参加型文化――情報に対する態度とメディア・リテラシーの右旋回 倉橋耕平
 1 インターネット以前の右派メディアからインターネットへ
 2 「マスコミvsネット」と「メディア・リテラシーの右旋回」
 3 新たな敵対性の創出と言説空間の刷新

第5章 ネット右翼と政治――二〇一四年総選挙でのコンピューター仕掛けのプロパガンダ ファビアン・シェーファー/ステファン・エヴァート/フィリップ・ハインリッヒ
 1 ネット右翼と「アルゴリズムの潜在的公共圏」の出現
 2 二〇一四年総選挙――ソーシャルメディアと安倍の隠れたナショナリスト的アジェンダ
 3 サンプリングと方法――二〇一四年総選挙でのソーシャルbotの検出
 4 botによる隠れた右派キャンペーン

終 章 ネット右翼とフェミニズム 山口智美
 1 ネット右翼と政治、メディア
 2 歴史認識と日本軍「慰安婦」問題
 3 ジェンダーとネット右翼
 4 フェミニズムへのバックラッシュとネット空間
 5 「反日」という視座
 6 ネット右翼のアイコンとしての「杉田水脈」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

更紗蝦

27
ネトウヨ像を「なんとなくこういう印象がある」というレベルを越えて実証的に分析している本です。政治や思想に興味がなくても、統計学、情報学、メディア論、ジェンダー論等に興味のある人なら一読の価値があります。ネトウヨを分析する上で取り上げている要素は、レイシズム・排他的ナショナリズム・性差別・歴史修正主義・生活保護バッシング等ですが、出版が2019年5月なので、グレタ・トゥーンベリさんの台頭によって顕著になった「環境問題に声を上げる人へのバッシング」が日本ではネトウヨとリンクしている可能性への言及はありません。2020/01/24

Jun Sasaki

22
「ネット右翼」という存在を、種々の学者が定量分析的な視点で読み解く本、と言いたいところだが、編者自身が言うように、現時点では(これでも!)データや議論に乏しく、統一した見解を導くに至っていない。戦時の翼賛的な風潮に対する自己批判からか、政権批判的な論調を良しとした既存メディアに対し、カウンター醸成の機運とネットの発達が後押しになり、ネット保守論壇が発達したと理解。政治的botによる世論の自己増殖は、ちと恐ろしい。2021/04/03

那由田 忠

14
意識調査の分析で「ネット右翼」を分析するが、分析方法は疑問。第1章は、中韓への否定的態度(最も嫌い、11段階の0)が全体で22%もいて、ネットに関わると「オンライン排外主義」とする。日本人の2割が排外主義かと唖然。第2章は、都知事選で櫻井信への投票者の分析。彼は排外主義者と思うが、同じ調査なのに排外判定で、日本居住の外国人が減った方がいいの回答を使う。全体56%に投票者86%と多いが、靖国参拝支持の全体24投票者81と比して強いのか疑問。排外主義は追い出すことだろう。後半の説明は不可解なだけで役立たない。2020/09/27

二人娘の父

6
「ネトウヨ」は年配の方にも認知(私の周辺)されているが、ネット右翼についての実証的かつ計量的な分析を基にした論集。まず分析の視点として注目したのは、ネット右翼を「排外主義(中韓嫌悪)」「保守的政治志向」「ネットでの発信」というカテゴライズである。これにより、いわゆる雑なネトウヨ理解は解消される。フェミニズム嫌悪と「反日」というキーワードも、その理解を深める重要なトリガーとなる。自民党・杉田水脈議員がアイコニックとして活躍する意味がよく分かった。各々研究は継続されていると思うので、続編の発表も期待したい。2024/02/10

吃逆堂

4
やはりこの手の本は、積ん読せず出たての旬のうちに読んでおくべきだったか。新型コロナや安倍銃撃等を経て、また少し変わっているように思う。樋口論考が分析するネトウヨアカウントの個別事例には、暗い便槽をのぞき込むようなおぞましさを感じた。2023/07/18

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