「世間」の現象学

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「世間」の現象学

  • 著者名:佐藤直樹
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 青弓社(2014/03発売)
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  • ISBN:9784787231949

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内容説明

1980年代に入って高度資本主義=高度消費社会化が加速することで社会の近代化が減速し、個人の自律を認めない「世間」が肥大化した。対人恐怖や女児殺害事件など具体的な問題群に即し、このシステムがいかに私たちの日常に暴力的に機能しているかを検証する。
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目次

はじめに いまなぜ「世間」なのか

第1章 方法としての「世間」──世界とは自分のことなのだ
 1 なぜ現象学なのか
 2 「世界とは自分のことなのだ」という方法
 3 「自分」の理解としての「世間」論
 4 〈生活世界〉を探究するということ
 5 対象=方法としての「世間」

第2章 構造としての「世間」1──贈与・互酬、身分、個人の不在
 1 贈与・互酬の関係がつらぬかれる
 2 身分の重要性
 3 個人は存在しない
 4 自己決定の不在

第3章 構造としての「世間」2──呪術性、排他性、権力性
 1 呪術性がつらぬかれる
 2 儀式の空虚さ
 3 排他性と差別
 4 網の目としての権力

第4章 歴史としての「世間」──「中世」化する資本主義
 1 社会はわが国には存在しない
 2 社会と「世間」とのちがい
 3 一九八〇年代における「世間」の露出
 4 一九九〇年代における「世間」の膨化・肥大化
 5 あらたな身分制度の登場

第5章 風土としての「世間」──ヨーロッパの静かな静かな風景
 1 和辻の風土論と「世間」
 2 エジンバラの都市風景の衝撃
 3 ハイランドの静かな静かな風景
 4 「世間」のうるささ
 5 「世間」は「湿気」にみちている

第6章 心的現象としての「世間」──対人恐怖をめぐって
 1 対人恐怖の根底にある「世間」
 2 「世間」では「配慮」を強いられる
 3 「中間的」共同幻想としての「世間」
 4 日本ではなぜ哲学や思想がそだたないのか

第7章 法的現象としての「世間」──隣人訴訟をめぐって
 1 激突する「近代化」のシステムと「世間」
 2 「親切?義理?返礼」の連鎖
 3 西欧だったらどうなるか
 4 契約関係の不在

第8章 犯罪現象としての「世間」──文京区女児殺害事件をめぐって
 1 資本主義の「中世」化と犯罪現象
 2 母親たちの事件への共感
 3 独特の競争社会としての「世間」
 4 増大するルサンチマン

おわりに──十年ののち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミヒャエル・安吾

2
全日本人が読めよ!日本にある不文律がここに全てが書かれてる。2017/07/20

チャンドラー

1
ずっと疑問だった事の答えが見つかったと思った。『世間』というやっかいな“空気”と“過干渉”に強迫されている日本人。思想の自由がなく真綿で首を絞められてる私達。日本において社会は存在しない。『世間』があり、この世間の中に個人は存在しない。これは多くの人に読んでほしいです。読んだ人だけでも意識を変えなければと思った。西欧には対人恐怖症がほとんどないというのにも驚き。中島義道さんや 阿部謹也さんの本も読んでみたくなった。2016/11/28

砂糖 翠

1
世間という言葉を用いることの意義はわかるが、最初に生活世界という語の定義から世間が導き出されており、何故生活世界から説明してはならないかがわからない。元々世間という言葉があったからというのは一理あるにしても、一理しかない2015/12/30

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