総中流の始まり - 団地と生活時間の戦後史

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総中流の始まり - 団地と生活時間の戦後史

  • 著者名:渡邉大輔/相澤真一
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  • 青弓社(2022/06発売)
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  • ISBN:9784787234629

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内容説明

高度経済成長期の前夜――労働力が都市に集中していき、核家族が増えていくなかで、日本は「総中流社会」と言われた。では、総中流の基盤になった「人々の普通の生活」は、どのように成立したのだろうか。

サラリーマンとその家族が住む集合住宅=団地に焦点を当てて、1965年におこなわれた「団地居住者生活実態調査」を現代の技術で復元して再分析する。そして、当時の生活文化や団地という社会空間がもつ意味を実証的に浮き彫りにする。

労働者や母親の生活の実態、子どもの遊びや学習の様子、テレビと一家団欒――「普通の生活」の基準ができあがる一方で、男性の長時間労働や遠距離通勤、性別役割の固定化を生む要因にもなった「総中流の時代」のリアルを照射する。

目次

はじめに 相澤真一/渡邉大輔

第1章 普通の時間の過ごし方の成立とその変容――高度経済成長期の団地生活での一日のあり方 渡邉大輔
 1 生活時間調査としての「団地居住者生活実態調査」
 2 高度経済成長期の団地生活での生活時間の実態
 3 団地生活での生活時間のマクロ・ミクロ分析

コラム1 団地生活と耐久消費財――新しい生活の形 渡邉大輔

第2章 団地での母親の子育て 石島健太郎
 1 団地での母親のつながり
 2 団地の母親が置かれた状況
 3 団地のつながりを分析する
 4 母親にとってつながりとは何だったのか
 5 つながりをさらに調べるために

コラム2 耐久消費財の普及は家事時間を減らしたのか 渡邉大輔

第3章 団地のなかの子どもの生活時間 相澤真一
 1 「子供など夫婦以外の世帯員生活時間表」の集計方法
 2 一九六五年の団地の子どもたちの生活時間の分布
 3 一九六五年の団地の子どもたちの生活行動

コラム3 近代日本のオルガンがある風景/「総中流」社会のピアノがある風景 相澤真一

第4章 団地のなかのテレビと「家族談笑」 森 直人/渡邉大輔/相澤真一
 1 データの集計方法と基本統計量
 2 どのような世帯の、誰がより長く、どのような番組のテレビを見ていたのか
 3 テレビは大衆文化の伝達メディアだったのか

コラム4 団地生活と家事の外部化 渡邉大輔

コラム5 ミシンと専業主婦の「幸福な」結び付き 佐藤 香

第5章 団地と「総中流」社会――一九六〇年代の団地の意味 祐成保志
 1 なぜ団地を調査するのか
 2 政策の手段
 3 住宅の内部構成
 4 集合の形式
 5 団地と「総中流」社会

コラム6 総中流社会と湘南電車 相澤真一

補 章 「団地居住者生活実態調査」の概要とデータ復元について 渡邉大輔/森 直人/相澤真一

おわりに 渡邉大輔

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

jackbdc

4
1965年の団地調査の復元。団地に住む人たちの特長、年代、仕事や考え方が近いこと等の要素を分析することが、総中流社会の理解に役立つだろうことは直感的に理解できる。本書における総中流社会の捉え方”格差の不存在ではなくベクトルの向きの共通性”には納得できる。当時と今の比較すると驚くべき変化もある。印象に残った点3つ、1.大人の睡眠時間:今より1時間以上も長い!2.家族内の親密性:家族の人数は多く住居の面積は狭いので必然的に親密だったろう。3.団地内人間関係:ママ友など地縁型コミュニティの影響力が大きかった。2021/06/19

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