男性学の新展開

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男性学の新展開

  • 著者名:田中俊之
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 青弓社(2014/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784787233066

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内容説明

男性学は何を目指しているのか、今後、どのような展開を見せていくのか-。1980年代後半から、フェミニズムの隆盛をバネにした女性をめぐる議論の成熟を背景として、「男らしさ」「男性性」とはいったい何なのか、それに息苦しさを感じるときどう解消していくのかが議論されはじめた。その議論の内容を簡明にまとめて男性学の基本的な視点を確認したうえで、新たな観点を示したロバート・W・コンネルの議論を詳細に紹介する。そして、男女雇用機会均等法の制定や90年代後半からのフェミニズムに対するバックラッシュの流れのなかで、男性学が何を招来し、今後どう展開していくのかを、仕事、定年退職後の居場所、「オタク」や恋愛・結婚などの具体的な素材から照らし出す格好の男性学入門書。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

目次

序章 男性学の新展開
 1 問題の所在
 2 男性学の基本的視座
 3 男性学の新展開

第1章 「男性問題」とは何か
 1 「男性問題」の登場とその背景
 2 「男性問題」の時代としての一九九〇年代
 3 「男性問題」を語る視座

第2章 複数形としての男性性
 1 複数形としての男性性
 2 権力としての文化
 3 「正常」はいかにして構築されるのか
 4 男性性のイメージと歴史性

第3章 現代日本社会の男性と労働
 1 「一家の大黒柱」としての意識
 2 私的領域に男性の居場所はあるのか
 3 覆い隠された若者の労働問題

第4章 地域に男性の居場所を作る
 1 男性と仕事中心主義
 2 定年退職後の男性の生活
 3 地域活動を通じて〈生き方〉が変わる

第5章 オタクの従属化と異性愛主義
 1 オタクはいかに語られてきたのか
 2 オタクの従属化と男性性の複数性
 3 異性愛主義の彼岸

第6章 揺らぐ男性性と恋愛/結婚の行方
 1 結婚に囲い込まれた性と恋愛
 2 「幸せな家族像」に内包される不平等と排他性
 3 現代日本社会における〈ヘゲモニックな男性性〉

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nbhd

12
どのへんが【新展開】なのかというと、男性学研究者のコンネルという人の理論をなぞっているとこだ。コンネルさんの話をざっくりとまとめると、①男性性は複数形masculinitiesとあらわす。つまり「ザ・男」のような普遍的な男性性は存在しないということ。その上で、②複数形の男性性は大別すると、A「ヘゲモニックな男性性」とB「従属的な男性性」と分類できる。Aのヘゲ男は、フェミニズムの考察批判の対象となりがち。一方、僕が関心を持つ「弱めな男(非モテ)」は、Bの従属的な男性性のほう。という、ひとまずの整理ができた。2021/02/01

富士さん

4
男性学の確立をともなわないフェミニズムは、反ジェンダー主義として不完全で、単にゴネてるだけと矮小化されてしまうこと必至です。社会規範として定着したジェンダーの枠組みを流動化させることは、女性が公正な権利を主張できると同時に、男性が不当な義務を放棄できることを意味します。つまり、ちゃん交渉しないとより悪くなる可能性すら孕んでいるのです。反ジェンダー主義で得られるのは公正な負担を探り、新たな合意を得る事であって、負担を無くしてくれる魔法の呪文ではない。このことをはっきり示すのが男性学確立の意義だと思います。2022/03/31

まあい

4
男性学について、最初に読むのにふさわしい一冊だろう。すこしケチをつけるとすれば、先行研究が少ないからこそ、在野の評論や影響力のあった書籍なども先行研究に組み込んでほしかった。それでも、コンネルの「ヘゲモニックな男性性」や「複数の男性性」などの概念をわかりやすく導入しており、全体としては手堅い良著としてまとまっている。オススメできる一冊。2016/06/27

3
男性性が複数で、劣位に置かれる者が必然的にあらわれるのは確かだとしても、資本主義や婚姻制度など今の社会構造を根本的に否定することなく男性性を考えていても、ジェンダー間の不均衡と向き合うことはできないと思う。2019/12/22

hakootoko

3
https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/26813/3/shakaikg0060600010.pdf2018/05/25

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