内容説明
男性学は何を目指しているのか、今後、どのような展開を見せていくのか-。1980年代後半から、フェミニズムの隆盛をバネにした女性をめぐる議論の成熟を背景として、「男らしさ」「男性性」とはいったい何なのか、それに息苦しさを感じるときどう解消していくのかが議論されはじめた。その議論の内容を簡明にまとめて男性学の基本的な視点を確認したうえで、新たな観点を示したロバート・W・コンネルの議論を詳細に紹介する。そして、男女雇用機会均等法の制定や90年代後半からのフェミニズムに対するバックラッシュの流れのなかで、男性学が何を招来し、今後どう展開していくのかを、仕事、定年退職後の居場所、「オタク」や恋愛・結婚などの具体的な素材から照らし出す格好の男性学入門書。
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目次
序章 男性学の新展開
1 問題の所在
2 男性学の基本的視座
3 男性学の新展開
第1章 「男性問題」とは何か
1 「男性問題」の登場とその背景
2 「男性問題」の時代としての一九九〇年代
3 「男性問題」を語る視座
第2章 複数形としての男性性
1 複数形としての男性性
2 権力としての文化
3 「正常」はいかにして構築されるのか
4 男性性のイメージと歴史性
第3章 現代日本社会の男性と労働
1 「一家の大黒柱」としての意識
2 私的領域に男性の居場所はあるのか
3 覆い隠された若者の労働問題
第4章 地域に男性の居場所を作る
1 男性と仕事中心主義
2 定年退職後の男性の生活
3 地域活動を通じて〈生き方〉が変わる
第5章 オタクの従属化と異性愛主義
1 オタクはいかに語られてきたのか
2 オタクの従属化と男性性の複数性
3 異性愛主義の彼岸
第6章 揺らぐ男性性と恋愛/結婚の行方
1 結婚に囲い込まれた性と恋愛
2 「幸せな家族像」に内包される不平等と排他性
3 現代日本社会における〈ヘゲモニックな男性性〉
おわりに
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nbhd
富士さん
まあい
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hakootoko