内容説明
100周年を目前に控え、親子3代のファンをもつ宝塚歌劇団。ファンは劇場前で入り待ち・出待ちをして、ひいきのスター・生徒を見に同じ公演に何度も通い、お茶会にも参加する。ファンクラブの組織形態、チケットの確保と配布、統制がとれた拍手、ガードの実際、会服とグッズなどのファンクラブの実情をわかりやすく解説し、ファンの側がファンクラブの活動をどう捉えているかも丁寧に紹介する。いい席をめぐるファン同士の駆け引きやスター・生徒へのさまざまな距離感も描きながら、非合理に見えるファンの行動がきわめて合理的に成り立っていてある「秩序」を形成していることを明らかにする。ファンがスターを作る過程に迫るファン文化論。
目次
序章 宝塚歌劇団の転換――一九九〇年代から二〇〇〇年代へ
第1章 宝塚スターシステムとファンクラブ
1 トップスターというポジション
2 二つの序列――スター路線と年功
3 トップレース――人事の暗号を読む
4 新専科制度
第2章 ファンクラブの活動内容――ファンクラブ側から見て
1 ファンクラブの組織活動とその役割
2 チケットの確保と配券
3 チケット出し
4 拍手を仕切る
5 総見の設定
6 楽屋入り・出待ちガード
7 お茶会と親睦会
8 会服とグッズ
9 その他の業務
10 ファンクラブの序列
第3章 ファンクラブ会員の役割――ファン側の視点
1 なぜファンクラブに入るか
2 チケットの魅力
3 拍手への参加
4 総見への参加
5 ガードへの参加
6 サヨナラ公演のガード
7 お茶会
8 会報とグッズ
9 合同イベント
10 ファン同士のコミュニケーション
第4章 舞台と客席をつなぐファンクラブ
1 ショーと前方席の関係
2 お披露目からサヨナラ公演千秋楽まで
第5章 ファンクラブの意味
1 秩序が守られる仕組み
2 近さと遠さ
3 魔法が解けるとき
参考文献
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわ
こよみ
まど
むっちょむ
Miho Haruke