内容説明
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ラーメン、おにぎり、焼きそば、うどん、スナック菓子…。受験勉強や夜型生活になくてはならない夜食は、いまや巨大な市場を形成するほど人々に受け入れられている。人の心を和ますとされたり太る原因にされたりとさまざまに語られる夜食は、どのようにして日本に普及してきて、一つの文化として成熟したのか。文化的・歴史的な過程を丹念にたどりながら、落語の演目から都市の下層階層の問題を読み解き、屋台やラーメンの普及、若者文化や地方と夜食とのかかわりに戦前期の都市化のありようや食文化イメージの転換を見定めて、夜食と日本人との関係に鋭く斬り込む。食欲と知識欲をそそる文化史/文化誌。
目次
序章 「夜食」の文化研究事始め 西村大志
1 この本の向かうところ
2 「夜食」という前提
3 各章の紹介
第1章 「夜食」と階層──落語から考える 西村大志
1 夜食を商売とする人の階層
2 夜食を商売とする人のなかでの階層差
3 夜食を外で食べる人の階層
4 夜食を食べる人のなかでの階層差
5 店舗を構えてはみたけれど
6 階層移動の夢──移動する夜商人から昼の固定店舗へ
第2章 路地裏の夜食史──一九二〇─三〇年代における屋台イメージの転換 近森高明
1 屋台の《原風景》
2 都市下層のファストフード
3 苦学生たちの屋台営業
4 発見される屋台の味覚
5 屋台の《原風景》を描き直す
第3章 ラーメン史を「夜」から読む──盛り場・出前・チャルメラと戦前の東京人 右田裕規
1 問題意識
2 沿革
3 盛り場/いかがわしさ
4 出前/非日常性
5 流しの屋台/悲哀
6 結論
第4章 若者の夜食はどう変わってきたか 井上義和
1 受容史的アプローチの試み
2 戦前期エリート学生の夜食事情
3 昭和三十年代の若者の夜食事情──夜食間食回顧調査から
4 夜食はどのように家庭に入ってきたのか
第5章 地方からみた「夜食」──都市的まなざしに抗して 島岡 哉
1 農村──奈良県・大和盆地の農村地帯
2 山村──奈良県吉野郡の山村地域から
3 漁村──三重県尾鷲市をはじめとする東紀州地域から
おわりに 西村大志
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スプリント
もけうに
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