「家族」はどこへいく

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「家族」はどこへいく

  • ISBN:9784787232816

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内容説明

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少子化・高齢化・晩婚化が同時に進行するなかで、DVや児童虐待、子殺し・親殺しのニュースが毎日飛び交い、「家族」がきわめて今日的な問題として浮上している。これを「家族の危機」として捉えるかぎり、「危機」の原因を探り、崩壊を嘆く言説は流通しつづけるだろう。それに対して本書では、病理の象徴として家族を論じるのではなく、家族を論じることを通して社会のありようを注視する。具体的には、捨て子が文化としてあった江戸期の家族像や戦後日本における家族の変容などの歴史事象を確認し、人口減少社会の実情や地域と家族の関係性を把握し、家庭内殺人をめぐるメディア報道のあり方などを俎上に載せて家族をめぐる問題系を読み解く。家族と社会の「これまで」と「これから」を見定める格好の入門書。

目次

はじめに 金子 淳

第1章 家族の歴史を読み解く 沢山美果子
 1 一九八〇年代から九〇年代へのパラダイム転換
 2 近代家族と子育て
 3 教育家族としての「家庭」
 4 「家庭」という生活世界
 5 父親による近代家族批判の試み
 6 近世民衆の産むこと/産まないこと
 7 出生コントロールの諸相
 8 捨て子の諸相
 9 近代の捨て子と「母子心中」
 10 「子育て」の語の復権

第2章 戦後日本の家族はどう変わったか 岩上真珠
 1 戦後日本の家族の話をするにあたって
 2 日本の「家」と日本型近代家族
 3 家制度の廃止と戦後家族への胎動
 4 核家族化
 5 女性の社会進出と家族役割の変化
 6 女性のライフコースの変化
 7 人口変動と家族
 8 人生と家族──個人化ということ
 9 家族との新たな対話──まとめにかえて

第3章 都市・家族・ネットワーク 立山徳子
 1 戦後家族の変化
 2 地域社会と家族
 3 都市空間のなかの家族
 4 郊外家族の誕生
 5 都市・家族・ネットワーク
 6 都市家族はどこへいくのか?──サービス購入とネットワーク構築

第4章 人口減少社会と家族のゆくえ 赤川 学
 1 人口減少社会は不可避
 2 少子化はなぜ問題か
 3 仕事と子育て(家庭)を両立すれば、子どもは増えるか
 4 出生率に影響を与える社会経済的要因
 5 人口減少社会の制度設計

第5章 都市化に伴う家族の変容 岩本通弥
 1 現代民俗学とその視点
 2 現代家族は崩壊したのか──そのリアリティーと現実
 3 家族内殺人の物語化とその〈まなざし〉──日韓の比較から
 4 都市化と家族の変容──実態の日本的特徴

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

21
家族から社会をみるという視点で編集されているなと思いました。歴史的視点や社会学的視点、民俗学的視点など、さまざまな視点で家族にせまっており、たいへん勉強になりました。2016/08/25

Ryosuke Tanaka

1
5人の学者によるオムニバス形式の市民講座のまとめ本で、前半3章は概ね直前に読んだ家族社会学の教科書と内容が被っていた。後半2章は少子化・家庭内暴力についての政策やメディアレベルでの言説(俗説)を論破する、というような内容で、派手だが少し雑という印象を受けた。2022/08/19

げんざえもん

0
社会学者5名による連続講演会の記録集。「武士の子育ては家長(男)の務め」「近代家族の誕生により子殺しが激増した」「出生率が1.26でも1.39になっても人口は減り続ける」などなど、家族に関するウンチクに溢れています。恥をかかないためにも、「伝統的日本の家族を守れ!」と叫ぶ前に一読する事をお勧めします。2025/03/14

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