内容説明
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プロレスという物語を、ファンはどう読み、解釈し、消費しているのかを明らかにして、クールでアイロニカルな読みをする「成熟したファン=邪推するオーディエンス」の悲哀と絶望、歓喜と正面から向き合う。9人の論者が迫るプロレスファンの文化研究。
目次
はじめに 亀井好恵
序章 プロレスファンであることの悲哀と絶望──ミスター高橋以後の精神史 井上章一
第1章 「活字プロレス」という名の装置 山野井健五
1 プロレス・ジャーナリズムによる興行──「週刊プロレス」主催「夢の架け橋」
2 WARの「夢の架け橋」参加拒否
3 「週刊ゴング」の「夢の架け橋」評価
4 「平和の祭典」
5 結びにかえて
第2章 プロレスファン二十二歳──毎日プロレスな日々 樋口裕二
1 背景──プロレスファン、二十二歳、現役大学生(四年)、男
2 プロレスファンは読むためにどのようにして情報収集をしているのか?──ある一カ月の記録
3 プロレスメディアとの接触を通じてわかること
第3章 女子プロレス興行にみる音楽の使われ方 東谷 護
1 娯楽ショーからテレビ・ショーへ
2 歌うレスラーは一過性のものではない
第4章 ステレオタイプなメッセージ──全女イズムを軸に 亀井好恵
1 「読む」ファン/「読まない」社会
2 運動体、生き様をあらわす「全女イズム」
3 「全女イズム」再登場──二〇〇二年時点の「読む」ファンへの提示
4 土臭さのリリシズム
5 読もうとしないファン
第5章 ガイアの物語構成──過去・現在、そして未来へ続く「読む」という行為 岩佐敦子
1 プロレスのストーリーとは?
2 赤と青の物語は終わらない
3 非モーニング娘。的ユニット抗争
4 「読み」は止まらない
第6章 〈仮縫い〉のようなプロレス──広田さくらのコスチューム論 小野原教子
1 コスプレというスタイル
2 プロレスへの笑い/問い
3 パタンブックのような〈私〉
第7章 エンターテインメントとしてのプロレスと中年ファン 岡村正史
1 データで見るK-1、PRIDEの隆盛
2 二十代向けのゲームと化したプロレス
3 「家族」という鉱脈
終章 プロレスファン論の可能性に向けて 小田 亮