ひきこもりの〈ゴール〉 「就労」でもなく「対人関係」でもなく - 「就労」でもなく「対人関係」でもなく

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ひきこもりの〈ゴール〉 「就労」でもなく「対人関係」でもなく - 「就労」でもなく「対人関係」でもなく

  • 著者名:石川良子
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 青弓社(2014/03発売)
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  • ISBN:9784787232762

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内容説明

「仲間をつくれ」「働け」。的はずれを含めた多くの批判にさらされ、「回復」へと駆り立てられるひきこもりの“当事者”たち。対人関係の獲得や就労の達成という「社会参加」とそうすることの意味のはざまで、「なぜ働くのか/なぜ生きるのか」と彼/彼女らが抱いている不安や焦燥を、聞き取り調査をとおして描き出す。そして、「自己防衛戦略」や「存在論的不安」などの視点から、“当事者”たちにとって「ひきこもる」とはどのような経験なのかを浮き彫りにする。必要なのは“当事者”に共感することではなく、むやみに「回復」をめざさせるのでもなく、彼/彼女たちを理解することだと主張・提言する社会学の成果。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

目次

はじめに

第1章 問題意識──フィールドでの経験から
 1 はじめに
 2 “対人関係の獲得”から“就労の達成”へ
 3 〈社会参加〉路線の限界
 4 当事者への否定的感情に向き合う
 5 本書の課題──「ひきこもり」の当事者の経験を理解する

第2章 「ひきこもり」の社会的文脈
 1 一九八〇年代──「無気力化した若者」
 2 一九九〇年代──不登校からの分化
 3 二〇〇〇年代前半──「ひきこもり」の社会問題化
 4 二〇〇四年以降──「ニート」の登場
 5 「ひきこもり」からの〈回復〉イメージの変転

第3章 自己防衛戦略としての「ひきこもり」
 1 「ひきこもり」というスティグマ
 2 生活誌的な匿名性の程度
 3 精神的苦痛を助長されうるやりとり
 4 自己防衛戦略としての「ひきこもり」

第4章 自己を語るための語彙の喪失としての「ひきこもり」
 1 “対人関係の獲得”以後のきつさ
 2 コミュニティに参与することの意味
 3 自己を語るための語彙の喪失としての「ひきこもり」
 4 専門家言説の功罪

第5章 人生における危機/転機としての「ひきこもり」
 1 ひきこもるという経験の二面性
 2 危機
 3 転機
 4 振り返って見えてきた危機
 5 自己変容の様相
 6 「ひきこもり」を“状態”ではなく“過程”と捉える

第6章 問うという営みとしての「ひきこもり」
 1 はじめに
 2 “対人関係の獲得”その後
 3 就労をめぐるジレンマ
 4 自己・労働・生を問う
 5 問うという営みの必然性

第7章 生きていくことを覚悟する
 1 「ここで決めよう、と思ったのね。生きていくか、やめるかをね」
 2 「突然、生きたいって、体の声を聞いて」
 3 生きていくことを覚悟する

第8章 「ひきこもり」再考
 1 存在論的不安としての「ひきこもり」
 2 「ひきこもり」からの〈回復〉とは何か
 3 〈実存的問題〉としての「ひきこもり」

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

27
ひきこもりとは何のか。ひきこもり当事者への丁寧な聞き取りから考察がなされており、大変興味深く読みました。長期のひきこもりの実態として、働くことにどのように向き合うのかという問題があります。働くことが社会参加でるという社会規範があり、金銭的にも問題となるからです。しかし著者はそこに疑問を投げかけます。ひきこもり当事者が生きることを覚悟すること自体が当事者にとって大切なことであるからです。〈社会参加〉を強制する社会はひきこもり当事者を排除する社会であり、社会の在り方を問う必要性を著者は問うています。2015/09/16

とらじろう

23
ひきこもりの私にとってほとんど自分のことを書かれているような本で、就労で頭がいっぱいでも現実は全然進んでない というところでこの本を読み、とても参考になりました。一般就労も障害者就労も自分には厳しいのかなぁと最近思ったりもします。親死んだあとどうするかとか具体的に考えないと行けない年齢になってきたて、就労がゴールでないならば、まだましな方に進む、そういう星のもと生まれてきたんであろうか。就労してることによって社会にも出ているのではなく、ひきこもりも含めて社会という価値観が自分にとって便宜上の価値観。2018/12/09

あかたけ

5
”ひきこもり”という言葉ができたことによって、自分を語る語彙を得た人がいると知った。ニートとひきこもりは混同せず、それぞれに合った対応をしていくべきだとおもう。2013/11/23

Yoshitaka Sakai

3
じわじわと自分の考え方が変わっていくのを感じました。2022/10/31

まつゆう

3
ひきこもりを扱った本は色々あるが、これが一つの達成点のような気がする。これを超えるような本は当分出ないのではないだろうか。2016/10/26

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