食文化から社会がわかる!

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader

食文化から社会がわかる!

  • ISBN:9784787233059

ファイル: /

内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

「食」に対して、産地・成分表示の偽装や遺伝子組み換え食品などで不安が高まり、多様なメディアがそれを増幅している。また「食」は、孤食・個食などのように家族問題として取り上げられることも多い。それに対抗するかのように、「健康」「自然」というイメージによってスローフードや郷土食が注目され、食育が見直されている―。「コメ志向」の再考、食育の歴史、調理とジェンダー、スローフード、一家団欒イメージなど、食文化やそれを取り巻くイメージを多様な視点から読み解き、社会的・歴史的文脈によって「食」に対する人々の感性やイメージが全く異なってきたことを描き出す。食文化をとおしてさまざまな社会状況や歴史を、そして現代を照らす論考集。

目次

はじめに パルテノン多摩学芸員一同[橋場万里子/乾賢太郎/仙仁径/清水裕介]

第1章 「コメ志向」再考 原田信男
 1 独自の文化を形成してきた日本のコメ文化
 2 コメ文化・麦文化の発祥がもたらす食体系の変動
 3 縄文期に入ってきたコメ
 4 社会的余剰とコメ文化が生んだ戦争
 5 古墳時代――水田稲作から水利・土木技術の発展へ
 6 肉の排除とコメの神格化
 7 コメ中心社会と下層民を救う新仏教の台頭
 8 庶民に浸透したコメ経済とコメ信仰
 9 天皇の「肉食再開宣言」と山伏たちの抵抗
 10 特異なコメ文化日本と、肉文化を通した四つの地域

第2章 食物教育における学校・家庭・地域 江原絢子
 1 学校に偏重する食の教育
 2 体験する場としての家庭・地域
 3 江戸時代の出版物に見る食の伝承
 4 日本の産業革命と近代「食」教育の幕開け
 5 割烹教科書の刊行と調理実習の実態
 6 「調理実習」から「調理実験」へ――加速する数値教育
 7 家庭・地域から遊離する学校教育――繰り返し体験再考

第3章 調理とジェンダー 竹内由紀子
 1 ジェンダーと食が交差する多様な場面
 2 男性調理と女性のケガレ――歴史的に形成されたケガレ思想
 3 「男が主で女が従」となる共同調理
 4 素人料理人に求めた社会的能力と権威
 5 女性だけの調理――技術・経験と信用・信頼
 6 男女混合の共同調理――求められる社会的責任能力
 7 男性調理の歴史――見せる調理「庖丁」
 8 男性が日常に調理する例
 9 台所に入る武士たち――江戸時代の日記から
 10 「男子厨房に入らず」の真偽

第4章 シンボルとしてのスローフード 中村麻理
 1 「食べること」を社会学する
 2 スローフード運動の三つのミッション
 3 イタリアにおけるスローフード運動の発展史
 4 日本のスローフード運動における多様な志向性
 5 政策としての食育の展開――食育基本法が成立するまで
 6 シンボルとしてとらえた「スローフード」と「食育」の関係
 7 「食育」に接近する「スローフード」――新たな意味の獲得へ

第5章 一家団欒の味と高度成長期 矢野敬一
 1 「一家団欒」という問題
 2 サザエさん一家の団欒風景
 3 クリスマスの変容――お祭り騒ぎから一家団欒の日へ
 4 農村の食卓での一家団欒の風景
 5 農村婦人の「解放」への動向と食卓の変化
 6 高度成長期・食生活変容の背景

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数110件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす