スポーツする身体とジェンダー

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スポーツする身体とジェンダー

  • 著者名:谷口雅子
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 青弓社(2014/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787232779

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内容説明

男女が別々に競技する現代スポーツに対して、「男女別競技を撤廃しよう」「男女の身体能力差を考慮すべきだ」などの多様な意見がある。現在の男女別競技は、どのように「常識」になっていったのだろうか。近代日本におけるスポーツ受容、女子選手への批判、遊技教育の諸相から、戦後の「東洋の魔女」、プロ野球、生涯学習としてのスポーツまでの歴史的な事例を丹念に辿り、従来の議論が見落としていた「身体感覚」という視点から私たちが身体とジェンダーをどのように捉えてきたのかを浮き彫りにする。それをもとに、「規範としてのジェンダー」という視角から、優劣や役割にとらわれないジェンダーの可能性を提言する。
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目次

はじめに

第1章 ジェンダーという問題系
 1 バックラッシュにさらされるジェンダー論の現在
 2 ジェンダーは何を問題としてきたのか

第2章 規範としてのジェンダー
 1 ジェンダーは規範として語りうるか
 2 身体・権力・ジェンダー
 3 なぜスポーツを対象とすることが有効か

第3章 明治から大正期のスポーツとジェンダー
 1 「スポーツ=遊戯」における規範の生産の必要性
 2 校友会という共同体
 3 近代スポーツの受容史にみるジェンダー
 4 ジェンダー言説はなぜ受容を促されたのか
 5 スポーツのなかでのジェンダーの自明化

第4章 第二次世界大戦後から一九七〇年代のスポーツとジェンダー
 1 戦後のスポーツ事情
 2 「東洋の魔女」にみる戦後スポーツとジェンダー
 3 性別役割分担というあり方とスポーツ
 4 能動?受動役割の分離による戦後スポーツの秩序形成

第5章 現在のスポーツとジェンダー
 1 スポーツにおけるジェンダーの変化
 2 ジェンダーの変化に対する論じられ方
 3 スポーツの「平等」言説の限界
 4 ジェンダー言説はなぜ受容を妨げられるのか
 5 スポーツとジェンダーのこれからに向けて

第6章 スポーツにみる優劣を超えたジェンダーの可能性
 1 現在のジェンダー論の困難
 2 「らしさ」の肯定と規範としてのジェンダー
 3 規範としてのジェンダーの生成プロセス
 4 ジェンダー共有の変遷
 5 受容・受動の力に注目した関係性とスポーツ
 6 これからのジェンダーの可能性について
 7 優劣を超えた身体・スポーツ・ジェンダー

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

17
「第三者の審級」という概念を用いながら、構築主義的ジェンダー論に従って差異を男女平等的な意味での同質性に還元しようとする言説をスポーツに適用することの疑問を論じている。スポーツにおける男女の別は「身体レベルの妥当性の感覚」(同書160頁)にあるとし、あらゆる差異を克服しようとする言説へのスポーツ領域における忌避感を説明している。出版年は2006年。スポーツの競技記録はともかくとして、いまやスポーツの取捨選択に男女の垣根がなくなりつつある時代ではある。男女混合のプロ野球は、まだ先だろうか…。2021/05/22

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