国家がなぜ家族に干渉するのか - 法案・政策の背後にあるもの

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国家がなぜ家族に干渉するのか - 法案・政策の背後にあるもの

  • 著者名:本田由紀/伊藤公雄
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  • 青弓社(2021/10発売)
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  • ISBN:9784787234216

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内容説明

政府が「女性の活躍」を華々しく謳う一方で、家庭教育支援法案、親子断絶防止法案、自民党の憲法改正草案(24条改正)、改正教育基本法など、女性の権利を制約したり、家族のあり方や性別役割を固定化しようとする法律や法律案が議論され、それらを成立させようとする動きが顕著になっている。また、内閣府の婚活支援や各自治体の官製婚活も活発化しているのが現状である。

個人の権利を制限する一方で、「家族・家庭」や「個々人の能力・資質」までも共同体や国家に組み込むような諸政策の問題点の核心はどこにあるのか。

他方で、家族や子育て、性的マイノリティを支援する社会制度の設計は喫緊の課題である。国家の過度な介入を防ぎながらどう支援を実現していくのかを、家族やジェンダー、福祉、法学の専門家がそれぞれの立場から縦横に論じる。日本の右傾化を問ううえでも重要な一冊。

執筆者
本田由紀/二宮周平/千田有紀/斉藤正美/若尾典子/伊藤公雄
(以上、執筆順。敬称略)

目次

序章 なぜ家族に焦点が当てられるのか 本田由紀
 1 家族と国家
 2 現状の異常さ
 3 その背景にあるもの――一九九〇年代からの布石
 4 政権奪回後の自民党政治の性質
 5 教育をめぐって起きていること
 6 本書の構成

第1章 家庭教育支援法について 二宮周平
 1 本法案の概要と問題点
 2 文科省が実施する家庭教育支援の推進
 3 二〇〇六年法の精神
 4 比較の視点――子どもの権利条約と地方公共団体の家庭教育支援条例

第2章 親子断絶防止法について 千田有紀
 1 諸外国での動き
 2 日本での動き
 3 親子断絶防止法について

第3章 経済政策と連動する官製婚活 斉藤正美
 1 官製婚活がいつから始まったのか
 2 どうして官製婚活政策が広がったのか
 3 官製婚活は、いまどうなっているのか
 4 今後、何が広がっていくか

第4章 自民党改憲草案二十四条の「ねらい」を問う 若尾典子
 1 日本国憲法二十四条への攻撃
 2 改憲草案前文と「家族保護」規定
 3 改憲運動にとっての改憲草案二十四条の役割
 4 世界人権宣言十六条との比較

終章 イデオロギーとしての「家族」と本格的な「家族政策」の不在 伊藤公雄
 1 家族の自立と家族の保護
 2 イデオロギーとしての「家族主義」
 3 「家族主義」のパラドクス
 4 家族教育支援法
 5 「家族は一体イデオロギー」と親子断絶防止法

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

34
自民党が狙う改憲草案の中身の家族の規定や家庭教育支援法案の中身などから、なぜ国家が家庭教育という名で家族のあり方に干渉しようとしているのかを考察した内容です。「親学」として親のあるべき姿を描く高橋史郎(日本会議との深い関りのある明星大学教授)の理論との関りも考察されています。国家が目指す人材育成と自助・互助・共助のあり方と深い関りがあるのだと思いました。そのための家庭教育支援にSSWなどを位置付けようとする思惑があることもわかり、人権保障労働としてのSSWを対置していく必要性も感じました。2017/12/25

kenitirokikuti

11
安倍政権に顕著に現れているが、90年代半ばから、国家は子どもの育成に関して家族を信用していない傾向がある。国家が家族に対し、子どもをこう育てろと上から圧力をかけるのだ。改正教育基本法や改正学校教育法では、「資質」や「態度」を重視している。かつては主に知的な能力が重視されていた。「学習指導要領」も「取り扱うべき内容」から「達成すべき目標」と変わっている。政府が望ましいと定めた振る舞いや心構えを強く要求される。2017/12/29

aeg55

6
読み進めるにしたがって、現政権、安倍政権、自民党政権の気持ち悪さが増大してくる 単に極右である、というわけではなく、個人に身近な家族を核に、権力掌握、極右、宗教、地方創生、少子化対策など様々なモノがビジネス展開されているというところが、原因を単純に指摘しきれない 教育、養育、介護を家族という単位に押し付けるその根底には、行政のローコスト化が見える 80年前に日中戦争へと突入して行った社会状況とのているとも言えるし新たに蒸されている部分もあるとも言える2018/04/26

Miki Shimizu

4
おもしろい。でも難しい。なんか、何回も読み直しても意味がわからんところがあったー。書いた人の文章力の問題か、私の読解力の問題か、、、。まぁ、基本的には賢い人ほど難しいことをわかりやすく簡単に説明できると思っているので、私のせいでわなーい。笑。いや、でも、法律の条文は簡単に書きようもないか。じゃあ、誰のせいでもなーい。笑2017/12/13

カモメ

3
法律の草案等を検証していく内容。離婚後面会交流の実施率が40%であるのに対し、養育費の支払いは20%を切っているが親子断絶防止法は養育費や暴力防止といった視点に欠けている。婚活は交付金や補助金を求めてた民間企業も行っているが部落、セクハラ、個人情報の取り扱いという問題をはらむ。ライフプラン教育は産めよ殖やせよ教育に近づいており、産むか産まないかを自分で決める、性暴力や避妊の情報もない。結婚は個人主義に基づいているが選択的夫婦別姓には反対されイエの復活が求められているというのが興味深い。2021/01/09

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