内容説明
いまテレビは無数の問いかけと答え=クイズであふれている。啓蒙・娯楽・見せ物化というクイズの特性がテレビを覆い尽くし、情報の提示そのものがイベント化している現状を、韓国の留学生が具体的な番組を取り上げながら読み解く「テレビの文化人類学」。
目次
クイズ化するテレビ 黄菊英
序章 テレビとクイズのはざまで
第1章 クイズと「啓蒙」
1 カルチュラル・リテラシーの共有
2 知的欲求への刺激
3 「仮想の教室」の生成
第2章 クイズと「娯楽」
1 「同時刻性」と時間的体験
2 時間との戦いによる緊迫感の演出
3 「間」の強調とサスペンス
第3章 クイズと「見せ物化」
1 出演者のキャラクター化
2 情報の「演出」
第4章 遍在する「クイズ性」
1 ニュース番組の「クイズ性」
2 ランキング番組の「クイズ性」
3 ワンテーマのクイズで展開する番組
第5章 自己PRへ向かう「クイズ性」
1 CMの「クイズ性」
2 番組予告の「クイズ性」
終章 クイズ化するテレビ
参考文献
補論 クイズ番組とテレビにとって「正解」とは何か――一九六〇年代から八〇年代の番組を事例に 太田省一
1 高校生大会から見えてくるもの――『クイズグランプリ』
2 クイズには運の味方が必要――『アメリカ横断ウルトラクイズ』
3 クイズ番組的タレント論――戦後大衆社会とクイズ
4 二分する正解――『クイズダービー』
5 「正解」という制度の可視化――『クイズ一〇〇人に聞きました』からダウンタウンへ
6 情報という「正解」――『ズームイン!!朝!』とその後
解題 テレビの文化人類学 長谷正人
1 異文化体験としてのテレビ
2 テレビの文化人類学
3 占領軍と日本のクイズ文化
4 ゲームとしてのクイズ/儀礼としてのクイズ
5 オルタナティブなクイズの可能性
あとがき 黄菊英
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