内容説明
1947年、世界で初めて制度化した生理休暇の成立過程を、明治期以降の月経をめぐる言説をとおして検証し、近代日本で女性はいかにして「身体の医療化」という社会の権力構造に取り込まれ、それに抗してどのように「自己拡張」していったのかを解明する。
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目次
第1章 なぜ生理休暇なのか
1 なぜ生理休暇に注目するのか
2 生理休暇は「不浄観念の延長」か
3 本書の方法論と仮説
第2章 不浄観念から衛生観念へ──月経の病理化言説の移植
1 月経をめぐる文明化政策
2 月経の病理化の始まり
第3章 女学生・女工・職業婦人──近代化にさらされた「新しい女」たちの身体
1 女学生の身体の改良と保護
2 女工の身体と「人道主義的物語」
3 職業婦人と「母性」の発見
第4章 生理休暇要求の始まり──月経時の労働の「問題化」
1 女教員による「月経時の休養」要求
2 生理休暇要求の広がり
第5章 生理休暇制度の成立──月経の「医療化」に抗して
1 生理休暇要求言説と「労務管理」言説
2 生理休暇要求の高揚
3 生理休暇の法制化
終章 文化人類学的視点からの展望──生理休暇の言説史からみえてきたこと
おわりに──身体の医療化理解に向けて
あとがき