内容説明
「特急『つばめ』で、恐ろしいことが……」不可解な匿名の手紙が警視庁に届いた。往年の名列車を再現して走る特別列車(イベント・トレイン)での事件の予告、そして招待客の連続殺人! 十津川警部の推理は、43年前この列車内で起こったある事件に行き当たった。大胆な状況設定と意表をつくストーリー展開の、傑作トラベル・ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
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昭和62年 8月20日 初版2015/09/06
キュトロン
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初西村京太郎ミステリー。時代考証の正確さとかはすごいけど、風呂敷を広げすぎて完全には畳めてない気もするな。論拠が所々弱いのと、伏線を回収し切れてないところとか。まあオチは嫌いじゃないんですけどね。文章は、良くいうと論理が分かりやすくて読みやすい。悪くいうと説明的。キャラクター造形は見事。冷静な十津川さんと少し情熱的な亀井さんとか。今回限りのキャラクターなのかもしれませんけど神木室長は責任者らしくて良かったとか。まああくまで西村さんファン以外のレビューとして受け止めてもらえれば。2014/03/09
towerofthesun
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昭和15年と同58年の事件が交錯する、混みいったプロットの意欲作。多分にご都合主義なのはいつものことだが。2013/06/24
miu_pal
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さすがに、これはサービスしすぎではないか?そのせいでプロットが一部破綻していると思われる箇所があるのだが・・・。しかし、それでも、この作品は十分以上の力作だ。1983年、この年、著者はトラベル路線の長編だけで7作品を発表しており、いよいよ量産体制に拍車がかかり始めた時期なのだが、そうした中でもマンネリに陥らないよう、創意を凝らした作品が書かれており、タイムリミットサスペンスの名作とされる『札幌着23時25分』や本作などはその代表例だろう。戦前の超特急「燕」と、イベント列車として現代に甦った「つばめ」。2013/02/05
義輝仮面
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【★★★★☆】 戦時中のある出来事と40年後(執筆当時)の出来事が交互に描かれていく。真相はと言うと戦時中の国鉄、軍、庶民の立ち位置だからこそ起こったということか・・・。 2018/02/18