内容説明
東京の地下鉄構内で起こる連続殺人事件。現場ではかならず謎の美女が目撃された。十津川警部らの捜査で、死体の身元が判明するが、いずれも一年前に行方不明になったままの人物、しかも整形手術で顔を変えていた。……白いコートの“幻の女”は何者なのか? 十津川ひきいる捜査陣の前に、やがて防衛産業の利権をめぐる、闇の世界の暗闘が暴きだされていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
119
X重工を扱おうとしたら圧力がかかったのに、 政治家を扱うのに圧力がかからないのは可笑しい。 原因と結果の両方を押さえないと、抑えがきかないはずなのに。 社会性があるようで、社会性がないところが西村らしいと言えるかもしれない。 主人公はあくまで十津川警部であって、犯罪者でも、読者でもないのかも。 個々の登場人物の重みづけも今一歩。 結局、重要人物がどうなったのだろう。 軍事技術に踏み込みがあまいところが読み易さなのかもしれない。2014/05/31
飛鳥栄司@がんサバイバー
19
初期の西村京太郎が書いていた社会派ミステリをトラベルミステリに組み込んだ印象の作品。社会派のテーマがぼやけてしまっていていること、地下鉄の特殊性を活かしきれていないこと、ストーリー展開の無理矢理感と物語の捉え所が読者に届かなっかった。事件発生から整形手術にいたるまでの運び方は、後半への期待を大きくするが、十津川警部の困惑が作者の困惑となってしまい、解決をみるころにはなんとなく尻窄みとなってしまっている。社会派とトラベルミステリの融合は、本作だけではなく傑作もあるので、決して苦手な分野ではないと思うのだが。2021/06/25
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
5
1992年 2月20初版。「勝手に列車祭」第123弾。文庫コレクション238冊目であった。。。。結局一企業から推された代議士同士の戦いであった。金でズブズブの代議士が、相手企業の頭脳を誘拐し、自分の陣営にシェアを拡大させるストーリーであったが、結局誘拐犯があわれであった。トリックはなく、死体が地下鉄最終列車が絡んで車内やホームで次々発見される。。。十津川警部とカメさんは三橋達也と愛川欣也で読んでいる。ちなみにカメさんは短編で拳銃を撃っている。2016/09/08
miu_pal
2
1987年作品、文庫版92年刊。亀海昌次時代の光文社文庫の装丁は、デザインそのものの独自性に加えて、当時の時代のムードをよく捉えているという点でも素晴らしいものが揃っているのだが、中でもこの『東京地下鉄殺人事件』はひときわ強い印象を与えるものになっている。丸く円を描く謎の電光…これは何か?何も意味のない雰囲気表紙なのか?いいえ、読むと分かります。なるほどそういうことか、と納得します。2020/05/01
あーさー
1
2時間ドラマでお馴染み、十津川警部シリーズの一作。「、」の多さに読むテンポを乱されましたが、ストーリーはさすがの手堅さです。2023/09/06