内容説明
お遍路(へんろ)でにぎわう菜の花畑(はなばたけ)の四国路で、遍路姿の老人が刺殺(しさつ)された。同行の若い女性の姿も消えた。被害者が東京の著名な銀行経営者と判明して、警視庁の十津川・亀井チームが出動。しかし事件は続発した! 四国山脈を越えて走る“特急南風1号”の車中、瀬戸内海を横切るフェリーボート……事件を繋(つな)ぐ輪の一部分が欠けていて、犯人を限定できない。傑作長編推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
飛鳥栄司@がんサバイバー
20
鉄道小ネタがなくてもアリバイ崩しができる、西村京太郎らしからぬ本格ミステリに仕上がっている。四国、大阪、東京で起こる連続殺人は、西村京太郎らしく十津川警部を軸とした「なし崩しサスペンス感」で解決に導かれると思いきや、7人もの被害者の整合性が取れない事実が壁になり事件の行き詰まりが生じる。一旦構築した理論をすべてチャラにして、メインとなる東京と四国を結ぶアリバイトリックを解決することで浮かび上がる動機と真実。あまりお目にかかれない十津川警部の推理御開帳シーンなど、初読時にない気付きがあって面白かった。2020/12/03
虎ノ介
2
ボリュームあります。特急南風、急行あしずりなどの懐かしい時刻表が2ページ載っています。2017/06/26
クロッチ
1
いづれの容疑者をも犯人と断定するには決め手に欠けるまま物語は進む。陽動作戦で十津川を迷路に陥れる真犯人。長篇の割にはあっという間に読み進むことが出来た。2020/08/22
義輝仮面
1
【★★★★☆】 四国の殺人事件から始まり、選挙や不正融資など様々な思惑が絡んでいく。怪しいと思われる人物が次々と消されてくので最期まで犯人は誰なのか?どうやってアリバイを切り崩していくのかが見もの。かなり古い作品なので瀬戸大橋がなかったりとそこら辺はすごく時代を感じさせる。2018/04/06
miu_pal
1
本格ミステリの、古典的な犯人隠匿トリックのトラベルミステリー応用編。秀作である。ただし、このトリックを仕掛ける場合、読者にトリックの存在を気付かせぬよう、ディテールにひたすら筆を費やして煙幕を張る必要があるのだが、それは、ディティールを徹底的に削ぎ落とし、プロットの骨格を裸に剥いて見せる、この作家の資質が向かうところではない。結局、仕掛けがあからさまにすぎて、多くの読者は先に真相に気付いてしまうだろう。それでも、この複雑なプロットを、かくも明快に美しく見せるセンスには感嘆せざるを得ないのだ。これは初読。2013/02/03
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