内容説明
2024年4月より，建設事業・自動者運転業務・医師の3業界につき，5年間の時間外労働の上限規制適用猶予が終了することによる，いわゆる「2024年問題」への対応が求められています。特集1では，2024年問題を契機に，労働時間規制に関する働き方改革について実務と理論双方の視点から検討，展望し，背景にある労働力不足への対応施策についても考察します。特集2では，令和5年10月25日の性同一性障害特例法違憲決定を多角的な視点から解説，検討し，第211回国会で成立したLGBT理解増進法についても本違憲決定を参照しつつ検討を加えました。
目次
【特集1】労働時間規制に関する働き方改革――2024年問題を契機に
〔座談会〕2024年問題から考える労働時間と働き方改革…水島郁子（司会）／澁谷秀行／鈴木重也／冨髙裕子
労働時間規制を超えて――働き方改革関連法の評価と今後の展望…大内伸哉
労働時間管理を主とした労働の健康影響と働く上での健康確保…黒田玲子
労働力不足に対するこれからの労働市場の法政策…有田謙司
【特集2】性同一性障害特例法違憲大法廷決定
性同一性障害特例法違憲決定――若干の憲法学的考察を付して…駒村圭吾
手術要件の緩和と性別変更後の親子関係の成否をめぐる諸問題…マシャド・ダニエル
性同一性障害特例法違憲最高裁大法廷決定の解説…野中伸子
いわゆる「LGBT理解増進法」の解説・検討… 敏
［会社法判例速報］…尾形祥
［労働判例速報］…水町勇一郎
［独禁法事例速報］…花田さおり
［知財判例速報］…田中浩之
［租税判例速報］…本部勝大
［Information Lounge］
ウェブ会議を用いた口頭弁論の運用開始…橋爪信
［連載／SDGsと経済法］
〔第2回〕SDGsと競争法の正当化，適用除外――日本法の問題…柳武史
［連載／海外進出する企業のための法務］
〔第12回〕日本との比較を踏まえた米国特許訴訟の特徴・留意点…廣瀬崇史
［時論］
東芝の非上場化とガバナンス…梅本剛正
［書評］
山口厚著『犯罪論の基底と展開』…塩見淳
時井真著『特許法における進歩性要件――基礎理論と日本，中国，ドイツ，EPO及び米国の裁判例分析』…髙橋淳
［海外法律情報］
ドイツ―Schufaによるクレジットスコアリングは制限されるか…石塚壮太郎
［最高裁大法廷時の判例］
〔民事〕
最大判令和5・10・18…佐藤政達
［最高裁時の判例］
〔民事〕
最一小判令和5・9・4…和田山弘剛
〔刑事〕
最一小判令和4・6・9…伊藤ゆう子
［経済法判例研究会］
東京高判令和5・5・26…伊永大輔
［商事判例研究］
東京高判令和5・3・9…舩津浩司
さいたま地越谷支判令和4・3・23…張鈺
大阪高判令和5・4・27…李遠杰
［労働判例研究］
東京高判令和4・11・1…水口洋介
東京地判令和3・4・13…小畑史子
［租税判例研究］
東京地判令和4・7・14…岩﨑政明
［刑事判例研究］
最一小判令和4・6・9…亀井源太郎
