内容説明
【グイン・サーガ134】ケイロニアの皇女シルヴィアの行方が知れなくなった。幽閉されていた闇が丘の館が何者かに襲撃され、地下の水路深くへとその姿は消え失せてしまったのだ。そして、死霊の口が語る彼女の大罪をめぐり、シルヴィアには、〈売国妃〉の汚名が冠されることとなる。また、大帝アキレウスの病状が思わしくなく、継承問題も持ち上がっていた。容赦なくふりそそぐ多様な艱難に対処すべく、グインはまた一歩前へ踏み出すのであった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
159
★超大作(公式表現:未曾有の大河ロマン)『グイン・サーガ』シリーズ全180巻完読プロジェクト(ギネスに挑戦!) https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11805473?sort=book_count&order=desc 今回は、正伝(篇)134巻(166/180)です。本巻は、シルヴィア⇒ルヴィナ⇒シルヴィア&アキレウス大帝崩御の巻でした🐆 続いて最後の外伝26巻へ2022/11/26
文庫フリーク@灯れ松明の火
92
栗本グイン既読の方なら惹かれざるを得ないタイトル『売国妃シルヴィア』 黒死病を蔓延させ、ドールにサイロンを売り渡したという冤罪だけでは、「売国妃」という言葉の持つ忌まわしさに乏しいと感じていたが・・・<闇の司祭>の暗躍で、ケイロニアの皇位継承権を盾に、他国に亡命したとなれば俄然説得力を帯びてくる。ましてその国が中枢部に闇の卵を抱くとなれば。国名は次巻以降のお楽しみだが、おそらくはあの国。十二選帝候会議で皇位継承者から廃嫡されたシルヴィアでも、悪用すればグインにとっては最凶の武器。宵野さんはデビュー作と→2014/10/29
みっちゃん
85
お気に入りさんからアドバイスを頂き【宿命の宝冠】を先に読んでおいて本当に良かった!「そなたが大ケイロニアの権威を売り飛ばすその国は」成程、だから「売国妃」となるのね。今まで「売国」っと事はないでしょう、と思っていたけどこれで納得。その国はどこぞ?3巻にもこのキーワードが出ていたとは!全く記憶にない(笑)しかし何と愚かな…ごく普通の魂を持つ者が偉大な父を持った悲劇だ。そして巨星去る。獅子心皇帝の御霊の安からん事を。もう私には栗本先生の筆によらない違和感はありません。これからも思う存分、筆を奮って下さい2015/03/23
瀧ながれ
31
あ、生きてた。…死んでから巻タイトルになることはないか。これまでかなりいろいろな目にあって、肉体的に弱ってるんじゃないかと思うけど、意外と丈夫ですなシルヴィア妃。下町で命を救われ、正体が知られないまま保護されたので、そのままその地で満ち足りてゆけば幸せだろうと思うけど、彼女はやはり、どこでどんな状況にあっても、欠落を埋められないようです。闇からの声に導かれて、この先どうなっていくのでしょう。この人が関わると、グインが 沈んでうっとおしい…、いや失敬。ケイロニア、大丈夫か?2017/01/18
SOHSA
30
《Kindle購入本》宵野グイン正篇も第二作に至り、いよいよ物語も大きく動き始めた。グインサーガを誰かが語り継がねばならないとすれば、やはり宵野ゆめ氏は外せないだろう。壮大なこのサーガは、聖書に記された物語と同じく、もはやひとりの語り部では負いきれない。栗本グインの残り香を漂わせながらも、新たなグインワールドの語り部として、宵野氏に今後も期待したい。2014/12/31