内容説明
クムとの交渉期限を目前に控え、パロから戻ったイシュトヴァーンは、ルーアン近くに進駐した自軍と合流した。ただちに彼の帰還を待ちわびていたカメロンたちと、クムの第三公子擁立について合議に入る。だがそのいっぽうで、ヴァレリウスによって明らかにされた軍師アリの過去の罪業の数々は、イシュトヴァーンに恐るべき衝撃を与えていた。それは、アリに対する燃えるような憎悪の念となって、ふくれあがってゆくが……。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
155
★超大作(公式表現:未曾有の大河ロマン)『グイン・サーガ』シリーズ全179巻完読プロジェクト(ギネスに挑戦!) https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11805473?sort=book_count&order=desc 今回は、正伝60巻(75/179)です。 本巻は、イシュトヴァーンの帰還&アリストートス処刑の巻でした🐆 続いて、外伝⑭巻へ。2022/06/25
nonたん
34
モルダニアのアリストートスどの……ちーん!ばいばい(⌒ー⌒)ノ~~~でした。恐ろしいことに、一冊まるまる使いましたね。表紙まで……。他に言うこともないですわ。2011/09/21
瀧ながれ
24
これだけ長い作品になると、途中には「読みにくい巻」というのも当然あるのだなあ。辛い、かなしい場面があるから読み進められない、というのではなくて、なにひとつ魅力を感じる場面が見当たらないから読むのが億劫、と、やけに時間がかかった一冊でした。クム三兄弟の末っ子タリクがクムの新しい大公になったり、アリがとうとう退場したり、歴史的には動きがありましたので、欠くことのできない巻なのですが…。イシュトヴァーンの背後に怨霊ばかり増えてゆきますな。2015/07/16
きーみん
24
作者にまで「ツキモノがおちた」って言われちゃうアリ。私は、不具で残虐で非業の天才という共通点から「オペラ座の怪人」のファントムと重ねて見てたところがあって、暗闇でしか生きられないのに、光輝く者に恋してしまったその、なんて言うか、口では「最初から望んで無い。諦めてる」と言いながら、相手の態度に一喜一憂する様が、憐れだなぁ〜と思わないでもなかった・・・と言うと、アリに殺された人々はもっと可哀想だ!って言われるだろうし、確かにそうなんだけど。2011/02/13
P太郎 ̄(=∵=) ̄
21
カバーイラストが末弥さんになりました!その第1回目がアリの最後の姿😅イシュトがアリを見限り、始末する計画をカメロン達に相談。アリに怪しまれないよう警護という名で監禁、そして私刑に処す。登場した頃の抜け目ない策士が、妄想で自分の状況が判断できない奴で終わっちゃった。私刑シーンは黒澤映画の椿三十郎の最後の果たし合いのシーンみたいな劇的、ビジュアル的な印象。まあ100巻まで書こうとしたら派手で軽いノリで楽しめないとね。2024/12/15