内容説明
きびしい残暑が続きますが、朝晩の空気の中に、あるいは、空の色合いの中に、秋の気配を感じるようになりました。2023年度も折り返しを迎えます。
今月号の特集は、「会社法理論の進展と実務の動向」。実務との接点が多く、裁判例も数多い会社法は、理論の進展も早い分野と言えるでしょう。2～3年に一度の改訂を重ねる教科書であっても、その動向をとらえ、反映させ続けることは困難です。一方で、その「動きの早さ」こそが、会社法の魅力のひとつでもあり、学習の醍醐味でもあるはずです。ぜひ、本特集で教科書の隙間を補い、「会社法のいま」を体感してください。
「判例クローズアップ」では、令和3年衆議院議員選挙をめぐる、いわゆる「一票の較差」訴訟を解説していただきました。膨大な裁判例群となりつつある定数訴訟を整理し、令和5年大法廷判決の位置づけを探ります。
目次
◆特集 会社法理論の進展と実務の動向
Ⅰ 株式の相続――株式の準共有を中心に…仲卓真
Ⅱ 買収防衛策の展開とその適法性…松中学
Ⅲ 取締役選任決議の取消し・無効と瑕疵の連鎖…福島洋尚
Ⅳ 取締役会の監督機能…行岡睦彦
Ⅴ 取締役の第三者に対する責任…髙橋陽一
Ⅵ 組織再編行為における対価の不公正と法的救済方法…笠原武朗
【巻頭言】
現代における大師号授与――先月号の特集に寄せて…斎藤誠
【法学のアントレ】
〔第78回〕判例廃止論――法哲学から判例を疑う…吉良貴之
【学校をホウガクする】
〔第6回〕学校と法――子ども法の視点から…横田光平
【判例クローズアップ】
令和3年衆議院議員総選挙と一票の較差…河北洋介
◆講座
【憲法事例分析の技法】
〔第18回〕参議院議員選挙における合区の解消…御幸聖樹
【事例で学ぶ行政法ゼミナール】
〔第6回〕行政手続――一級建築士免許取消事件…岡田正則
【会社法の時計】
〔第6回〕会社代表権の制限等と取引相手方の保護…松井秀征
【流れをつかむ民事訴訟法】
〔第18回〕請求の併合・訴訟係属中の訴訟物の追加…笠井正俊
【近時の判例で学ぶ刑法】
〔第6回〕殺人罪の間接正犯・共同正犯――最決令和2・8・24刑集74巻5号517頁…小島陽介
【刑事訴訟法のフレームワークを考える】
〔第6回〕捜査における比例原則…宇藤崇
【演習】憲法…尾形健／行政法…田中良弘／民法…林誠司／商法…柳明昌／民事訴訟法…秦公正／刑法…古川伸彦／刑事訴訟法…緑大輔／レポート（社会保障法）…橋爪幸代
【判例セレクトMonthly】毛利透／米田雅宏／羽生香織／栗田昌裕／田澤元章／伊藤雄司／堀清史／十河太朗／黒澤睦
