内容説明
「判例を出発点とした1コマの特別講義」を特集コンセプトにしている今年度の法学教室,6月号は民法です。いろいろな意味で「広がり」をもった6つの判例からはじめて理解を深めましょう。
また,今年度から第2特集を掲載をします(原則,偶数月号に掲載予定)。初回は,「レポートを書いてみよう」です。課題としても出されるレポート。書き方がわからないと悩む人も多いと聞きます。
本第2特集では,レポートの意義から,具体的な書き方のポイントまで,丁寧に解説します。レポートの悩みはここで解消しよう。
時事的なトピックとして,「裁判官の身分保障と分限裁判」を取り上げます。
充実の連載や演習にもご注目ください。
目次
◆特集1 講義・民法の重要判例
I 契約解除における使用利益の返還義務(最判昭和51・2・13)…油納健一
II 下請契約における出来形部分の所有権の帰属(最判平成5・10・19)…寺川永
III 賃貸不動産の譲渡と賃貸人たる地位の留保(最判平成11・3・25)…岩藤美智子
IV 委任の解除(最判昭和56・1・19)…一木孝之
V 三者間相殺(最判平成28・7・8)…藤澤治奈
VI 交通事故と医療過誤の競合と共同不法行為の成否(最判平成13・3・13)…米村滋人
◆特集2 レポートを書いてみよう
1 法学部生がレポートを書く…赤坂正浩
2 判例研究型レポートを書く…柴田憲司
3 テーマ研究型レポートを書く…高橋雅人
【巻頭言】国際免許証…松下淳一
【法学のアントレ】〔第27回〕きいてみました!先生方の論文執筆スタイル…衣笠葉子
【法律用語のトリビア】〔第3回〕公民権――公民権とcivil rightsのあいだ…大河内美紀
【時の問題】裁判官の身分保障と分限裁判――岡口判事事件決定を機縁として…渡辺康行
◆講座
探検する憲法――問いから始める道案内〔第15回〕憲法の保障は憲法の敵にも及ぶのか…吉田俊弘/横大道聡
スタンダード行政法〔第3回〕第1章 第3節 行政裁量…村上裕章
ケースで考える債権法改正〔第3回〕相殺――「前の原因」による相殺の拡張…三枝健治
会社法判例――より深く学ぶ,考える〔第21回〕取締役の対第三者責任…野田昌毅
事例で考える民事訴訟法〔第15回〕二重起訴の禁止…八田卓也
刑法事例の歩き方――判例を地図に〔第3回〕正当防衛…鎮目征樹
【演習】憲法…安西文雄/行政法…高橋信行/民法…原田昌和/商法…今井克典/民事訴訟法…北村賢哲/刑法…亀井源太郎/刑事訴訟法…松田岳士
【判例セレクトMonthly】笹田栄司/山下純司/松尾健一/安田拓人/原田和往