法学教室 法学教室2024年12月号

著者名：有斐閣【編集】

有斐閣（2024/11発売）

内容説明

永遠に続くかと思われた夏が過ぎ，存在したのかわからないほど短い秋も過ぎて，気づけば2024年最終号となりました。世界にはまだたくさんの紛争が残りますが，みなさまの日々の暮らしはせめて，「なんか楽しい」1年であったことを祈ります。
さて，7法のリレーでつないできた「基本原理・重要概念の再検討」も，アンカーである刑事訴訟法にバトンが回りました。論者により／あるいは問題となる場面によってその理解や意味内容が異なることのある厳選の5テーマについて詳しく論じていただきました。ぜひじっくりと読んでみてください。
今年度の特集は，みなさまの学習の足場固めを目指してまいりました。何かを高く積むためには，それを支える強固な土台が必要です。盤石な土台の上に，知識を一つ一つ，ゆっくり高く積み上げていってください。2025年の法学教室も，そんな「小石を積む」お手伝いができることを願っています。
本号には毎年12月号恒例の「判例の動き」も収録しています。判例セレクト第3期のご執筆陣となり初めての12月号。新しい編者の先生方による1年間の総まとめです。重要判例を振り返り，大きな流れを押さえてください。
本年も小誌をご愛読くださり，誠に有難うございました。どうぞよいお年をお迎えください。

目次

◆特集 基本原理と重要概念から学ぶ刑事訴訟法
Ⅰ　捜査手段の相当性…南迫葉月
Ⅱ　一罪一勾留の原則…三明翔
Ⅲ　当事者主義と職権主義…秋葉康弘
Ⅳ　直接主義・口頭主義…斎藤司
Ⅴ　証拠の関連性…佐藤友幸
【巻頭言】
国民衛兵…小島慎司
【法学のアントレ】
〔第93回〕生涯スポーツの見つけ方…横田明美
◆講座
【憲法の基本原理から見る統治】
〔第8回〕日本国憲法の制定――日独比較を通じての分析…高田篤
【事例で学ぶ行政法ゼミナール】
〔第21回〕国家補償制度と損失補償――関西電力変電所予定地収用事件…岡田正則
【点と点をつなぐ不法行為判例】
〔第15回〕権利の危殆化による不法行為責任（上）…長野史寛
【会社法の時計】
〔第15回〕株式・新株予約権の不公正発行（上）…松井秀征
【民事執行・保全法の考え方】
〔第3回〕執行文，強制執行の開始，手続の停止・取消し…青木哲
【近時の判例で学ぶ刑法】
〔第21回〕横領罪における委託関係――最判令和4・4・18刑集76巻4号191頁…足立友子
【演習】憲法…遠藤美奈／行政法…朝田とも子／民法…荻野奈緒／商法…杉田貴洋／民事訴訟法…川嶋隆憲／刑法…安達光治／刑事訴訟法…濵田毅
【判例セレクトMonthly】只野雅人／原田大樹／吉永一行／中東正文／山田文／松原芳博／亀井源太郎／松本哲治／田中良弘／鳥山泰志／池田愛／小池信太郎／緑大輔