白水Uブックス<br> シェイクスピア全集 ヘンリー五世

個数:1
紙書籍版価格
¥1,045
  • 電子書籍
  • Reader

白水Uブックス
シェイクスピア全集 ヘンリー五世

  • ISBN:9784560070192

ファイル: /

内容説明

滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

367
ヘンリー5世が、フランスへ侵攻したアジャンクールの戦いを中心に描く。英仏双方の大軍が激突する戦場を描くには、たしかにグローブ座の舞台の上にはそんなに何人もが立てなかっただろう。そこで、説明役が観客の想像力に期待する旨を述べるのだが、そもそも舞台は幻想と現実とのあわいにあるもの。その想像力をいかに喚起するかが作家の腕の見せどころ。戯曲として読む限りは十分過ぎるほど。でも、一度はグローブ座の舞台を見てみたいもの。戦勝後のフランス王女キャサリンとの結婚にいたるまで、ほぼ史実のようだが、さぞやイギリス人の愛国心⇒2022/03/09

まふ

109
華麗な言い回しと深堀される人間心理が小田島氏のこなれた訳文で身近に迫り、つかの間、シェークスピアの世界に浸った。ヘンリー5世は百年戦争の中断状況を破りフランスに攻め入り、奇跡の勝利をアジャンクール(アジンコート)で果たしてフランス王位継承権とフランス王女キャサリンとの結婚とを勝ち取る。ウェールズ人のフルーエリンの言葉に対して小田島氏は独特の訳文を付けており、ここでも翻訳における「訛り」「方言」の扱い方が今更ながら気になった。また何度か読むとまた新しい発見があるのかもしれない。2023/07/06

藤月はな(灯れ松明の火)

77
劇場版『ホロウ・クラウン』に備えて『ヘンリー4世』を読みたかったのですが、借りられなかった…。個人的にはヘンリー5世の英雄譚や英国万歳節ばかりが重視されていて余り、好きな本ではなかったです。「何故、戦争で死んで行く者達に対する罪を王は背負わないのか?」というウィリアムズの疑問に対し、「当たり前だろ。だって使用人の死に主人の責任は問われないのと同じ事さ」、「戦争は彼らに対する神の復讐なのだ」と言う論理には唖然。しかし、イギリスの食事の不味さなどを慇懃無礼に貶すフランス軍の言葉の応酬は面白かったです。2017/04/16

きいち

30
いよいよ、満を持して観劇したヘンリー五世へ。あー、誰がどういう人物なのかすら、現場ではわかってなかったのだなあ(笑)。本筋の英仏の戦い、フォールスタッフ退場後の後日談、とストーリーはようやく追いかけられたけれど、それでも、アイルランドの将軍とピストルのあのニラのくだりってどんな意味なの?(笑ったが)、とか、フランスの姫なんでこんなに前向き?とか、なんかとりとめなくて正直味わい方が難しいと感じた。当時の人、そしてその後観てきた人、みんなどんなふうに楽しんできたのかな。◇吉田鋼太郎がやってた説明役の口上が◎。2019/04/29

ネロ

18
歴史に沿ってリチャード2世、ヘンリー4世、そしてこのヘンリー5世に辿り着いたが、同じ史実ものでも毛色が違う様に感じた作品。それもこれもヘンリー5世が有能で魅力的に描かれている点が大きいか。特に終盤、ヘンリー5世によるフランス王女への数ページに渡る求婚が、血で血で洗う歴史の中とは思えず、まるで別の作品の様だった。イギリス語しか話せぬ王からフランス語しか話せぬ敵国の王女への求婚。これが史実とは。この場面だけで一作品できちゃう勢いだったな。2022/11/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/407959
  • ご注意事項
 

同じシリーズの商品一覧

該当件数37件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす