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内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
368
ヘンリー5世が、フランスへ侵攻したアジャンクールの戦いを中心に描く。英仏双方の大軍が激突する戦場を描くには、たしかにグローブ座の舞台の上にはそんなに何人もが立てなかっただろう。そこで、説明役が観客の想像力に期待する旨を述べるのだが、そもそも舞台は幻想と現実とのあわいにあるもの。その想像力をいかに喚起するかが作家の腕の見せどころ。戯曲として読む限りは十分過ぎるほど。でも、一度はグローブ座の舞台を見てみたいもの。戦勝後のフランス王女キャサリンとの結婚にいたるまで、ほぼ史実のようだが、さぞやイギリス人の愛国心⇒2022/03/09
まふ
110
華麗な言い回しと深堀される人間心理が小田島氏のこなれた訳文で身近に迫り、つかの間、シェークスピアの世界に浸った。ヘンリー5世は百年戦争の中断状況を破りフランスに攻め入り、奇跡の勝利をアジャンクール(アジンコート)で果たしてフランス王位継承権とフランス王女キャサリンとの結婚とを勝ち取る。ウェールズ人のフルーエリンの言葉に対して小田島氏は独特の訳文を付けており、ここでも翻訳における「訛り」「方言」の扱い方が今更ながら気になった。また何度か読むとまた新しい発見があるのかもしれない。2023/07/06
藤月はな(灯れ松明の火)
77
劇場版『ホロウ・クラウン』に備えて『ヘンリー4世』を読みたかったのですが、借りられなかった…。個人的にはヘンリー5世の英雄譚や英国万歳節ばかりが重視されていて余り、好きな本ではなかったです。「何故、戦争で死んで行く者達に対する罪を王は背負わないのか?」というウィリアムズの疑問に対し、「当たり前だろ。だって使用人の死に主人の責任は問われないのと同じ事さ」、「戦争は彼らに対する神の復讐なのだ」と言う論理には唖然。しかし、イギリスの食事の不味さなどを慇懃無礼に貶すフランス軍の言葉の応酬は面白かったです。2017/04/16
Major
38
【Note2】二つ目は、アジャンクールの決戦前夜、聖クリスピンの日の演説である。「王: 少数であるとはいえ、われわれしあわせな少数は 兄弟の一団だ。なぜなら、今日私とともに血を流すものは 私の兄弟となるからだ。ー」(第4幕第3場) "We few, we happy few, we band of brothers; / For he to-day that sheds his blood with me / Shall be my brother;…" →2026/03/17
Major
34
【Note1】シェイクスピア史劇中のヘンリー5世は、かつては、彼の名演説が戦時下の士気高揚に利用されるなど、輝かしい騎士道的英雄として称賛された。しかし現代では、アジャンクールの戦いにおける捕虜殺害の命令や、大義名分を盾にした侵略の側面がクローズアップされる。演出面でも、王の演説を「民衆を扇動するプロパガンダ」として描く解釈が主流である。一国の王として演じる役者においても、「愛国的英雄像」と「冷酷な政治家・侵略者」という両面を併せ持つ一個の人間存在の苦悩と孤独をいかに表現するかに演技の重点を置いている。→2026/03/17
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