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内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
102
シェークスピア作品の中で人気No1らしい。上演の時代ごとに代表的な俳優が登場するいわば「定番」なのであろう。私の時代の映画では1954年のスーザン・シェントールとか1968年のオリヴィア・ハッセイなどが心に残っており、幼な心にもキレイなジュリエット、と思ったものだ。ジュリエットの年齢は14歳という設定のようだが、少し幼いのでは?いや、そうでもないか。死んでも生き返る眠り薬は現在でもまだ開発されていない。もしこんな薬があればいろいろ応用場面が設定できて歴史も変わってきたのかも?2023/11/10
きいち
36
たぶん読んでいたのは少年向けのものだったのだろう、これは初めてだ。◇今は両家の不和とかどうでもよくて、印象に残ったのはマーキューシオの言葉遊びと結末までのあっけなさ。そう、何より出会いからその死までたった四日間。曽根崎心中もあっけないけど道行がある、むしろ想起したのは娘道成寺の清姫の蛇化の勢い。それがここでは、失恋直後のロミオと14歳のジュリエットが加速しあって、さらに。◇可哀想で理不尽なのは二人の勢いに巻き込まれたパリス、この人何も悪くないよね、しかも真相知らないままの死だし…。彼に一番共感してしまう。2019/05/06
くまさん
27
「他人の傷痕をあざわらうのは、傷の痛みを知らぬやつだ」と看破し、「哲学でジュリエットが作れますか」とどきりとするような問いを放ち、血の気を失せさせるほどの悲しみの根を突きとめようとした青年ロミオが憎たらしい「悪党」だとされてしまうなら、それこそはなはだしい勘違いであって、一縷の望みさえ残されてはいない。しかしほとんど悲劇的な要素はなく言葉が生き生きしている。すべてが夢のなかの出来事のようでもある。家柄も肩書も名前も剥ぎ取られたところに何が残るか。たぶん残らないからこそ、この舞台が成り立つのかもしれない。2018/10/18
りえこ
23
以前読んだことあると思いますが、久しぶりに読みました。よく出来ているなー。ファンタジーの様に感じる部分もあったり、恋愛にはとてもひきこまれて美しい愛の形と悲劇がとても胸に迫ってきたり。純真な愛の形、素敵でした。2020/04/20
白義
18
純粋なる愛の美しさを謳い上げた戯曲でありながら。あまりに直情的な主人公たちに乳母や友人が現実的なツッコミを入れていき、機知に満ちた喜劇的雰囲気も色濃い華やかな作品。特に駄洒落と軽妙の士マーキューシオは本作でもひときわ精細を放っていて、シェイクスピア喜劇そのものの陽気なキャラクターとして前半を盛り上げる。そんな彼がまさに物語の中盤まっただ中で殺されたのは、喜劇的世界から悲劇的世界への象徴的転換点ともなっている。そしてそれ以後は愛ゆえの狂気と偶然に翻弄される人間というハードな展開。この二面性はやはり評価できる2015/12/13
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