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内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
121
今更ながらシャイロックの存在感が圧倒的である。金を貸したら利子を付けるのは今日では常識以前の話。しかしアントニオは「友情」のために無利子でバッサーニオに貸す。それが「美談」とされる。このため苦境に陥り漸く最後に巧妙な理屈を付けてシャイロックをやっつけてホッとするわけだが、今日の経済理論ではシャイロックこそ王道の金融理論、虐げられて生き残るために磨いた「経済理論」だ。もしこの物語に「続編」があるとすれば、不死鳥のごとく生き返ってますますみんなの迷惑的存在になっているのではと思ったりした。2023/11/01
ロビン
18
アントーニオやポーシャらの話す、聖書やギリシャ神話に言及する教養豊かで格調高い言葉から、ラーンスロットらの話すくだけた下町言葉、シャイロックの気の利いた悪態の言葉まで、あらゆる人間の言語表現を掌にしたようなシェイクスピア。ユダヤ人に対する偏見はいただけないのだが、箱選び、男装、裁判と面白い名場面が続く。劇作家としてのみならず、ロレンゾーとジェシカの駆け落ちのくだりで、ロレンゾーが天の音楽について語る場面や、豊饒で巧みな比喩に満ちた台詞の数々にはこの天才の詩人としての顔までもが覗いており、感嘆するほかない。2023/07/25
たかしくん。
18
今更ながら初読。有名な「人肉の証文」と、これは知りませんでしたが「箱選び」が主要なプロットですね。勧善懲悪の喜劇ですが、どうしても、当時のユダヤ人に対する敵意が背景にあるのでしょうか。作者の知らぬ数百年後のことを思うと、「シャイロックの悲劇」の要素も感じられます。 それにしても、小田島氏の訳は分かりやすい!2014/05/17
Rieko
12
【第22回 海外作品読書会】初・シェイクスピア。強欲の代名詞シャイロックが、実はけっこう気の毒に思えてしまった。本筋にからまないところも気の利いた台詞のオンパレードで読んでて楽しい。「世間は世間、それだけのものだろう、グラシアーノー、つまり舞台だ、人はだれでも一役演じなければならぬ」小田島雄志訳は、格調がありながらわかりやすく、かなりくだけてて、とてもよかった。 2014/08/24
柏もち
10
小学生の時、学校から演劇鑑賞会で観に行って爆睡し、最初と裁判あたりからしか覚えてなかった作品。全体はこんな話だったのか。そういえば当時はユダヤ人の商人が頓知で言い負かされる姿にモヤモヤしたものだった。いっそ相手を殺して自分も死刑になるか、「私が切り取るとは明記していませんので、切り取り役は裁判官に任せます」とか言えよ!と思ったんだよな。懐かしい。なんだか今まで読んできた作品の中では世俗的というか、必ずしも必要でない登場人物が多いところに、舞台より現代ドラマ的リアリティがあるな、と思った。2016/04/12
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