内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
99
プルタルコス英雄伝を底本とした有名な恋愛史劇かつ政治劇。3頭政治の一角を担う名将アントニーがエジプト=プトレマイオス王朝の女王クレオパトラの魅力に負けて恋におち、シーザーに敗れるまでのドラマを描いている。予定筋書き的に劇は進み、その分シェイクスピアらしい深みのある人間劇的やりとりは少なく、ワクワク感、ドキドキ感は今ひとつであった。とはいえ、中年期の男盛りのアントニーと成熟した女性クレオパトラの熱烈な恋とその破局は相応に時代を超えて訴えるものがあった。2023/08/03
Major
42
【Note2】4. 言葉遊びの台詞について: 本作の言葉遊び(パン)は、単なる滑稽味ではなく、エロティシズムや政治的な皮肉を内包しています。代表的なのは、第1幕第5場、アントニーを想うクレオパトラの独白である。"O happy horse, to bear the weight of Antony!"(おお、幸せな馬よ、アントニーのからだの重みを背負えるとは!)ーMajor訳 ここでの「weight(重み)」は、戦士としての装備の重さであると同時に、恋人としての肉体的な重み(性的な含意)を指している。→2026/03/21
Major
33
僕の場合、シェイクスピア戯曲の観劇は、たいていテクストを読んでから行う。しかし、本作品は観劇から入り、映画を観てからテクストに入った。したがって、テクストを初読する時には、絶世の美女と言われたイメージが見事に出来上がっていた。やはりエリザベステーラーのイメージが強くなってしまっていた。2018年12月6日のロイヤル•ナショナルシアター公演の同作を映像で観た。その時のクレオパトラ役であった名優ソフィー・オコネドーを観て以来、少し強すぎたテーラーのイメージが薄まってよかった。閑話休題。→2026/03/21
ロビン
18
再読だがこの訳は初。ローマの武将アントニウスとエジプトの女王クレオパトラの2人を主人公とした史劇。自分の立場や度量を顧みず、愛と野心に目が眩んで夢を見た愚かな男女の物語と切り捨てても仕舞えるのかもしれないが、『ローマ人の物語』にて塩野七生氏はアントニウスについて「愛に生きて死ぬのも、男の一つの生き方である」と優しい評を下している。主人公二人の、またアントニウスの部下イノバーバスらの心の揺れがよく描かれていると思うし、庶民の卑猥な冗談から星を散りばめたように美しい比喩まで、みごとな台詞にもうならされる。2022/03/22
allite510@Lamb & Wool
14
ざっくり400年前に書かれた、さらに2,000年前の物語。書かれたロンドンから舞台のローマまでは1844km(青森長崎間1771km)、ローマ・カイロ間は2363km(択捉沖ノ鳥島間2787km、スマホ超便利)。クレオパトラは、嘘や政治による多面性が描かれているものの若干平板な印象もあるが、そこは戯曲なので演じ方次第かもしれない。惑い、道を誤るクレオパトラと中年アントニーはみっともなくも魅力的。「ああ、太陽よ、おまえのめぐる天球を焼きつくすがいい!」2024/04/10
-
- 電子書籍
- お飾り王妃になったので、こっそり働きに…
-
- 電子書籍
- Lamento -BEYOND THE…
-
- 電子書籍
- ウソツキ皐月は死が視える【単話】(74…
-
- 電子書籍
- 【分冊版】どうも、悪役にされた令嬢です…




