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内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
111
久しぶりに読む。上演数も多くメンデルスゾーンの随伴音楽やブリテンのオペラ、さらにはウエーバーもオベロンのオペラを作るなど、人気のある戯曲である。シエークスピアお得意の取り違え状況を妖精の力で作り元に戻してメデタシ、という筋書きだが、街の職人たちが公爵のために作り上げる劇中劇がたわいもないが面白く、アクセントになっている。安心して楽しめる罪無きストーリーが人気のポイントなのであろう。2023/08/17
きいち
30
うん、楽しい。◇パックと言えばやっぱり北島マヤだよな。もう脳内再生はマヤ固定。◇愛され慣れてなくて告白をからかわれてるとしか思えないネガティブキャラのヘレナの豹変、ハーミアの一気の転落(しかし扱いひどすぎる)…それにしても、シェイクスピアの世界観って人の心の自律性を信用してないのか、精霊やら神の力で心なんてくるくる変わる。よっぽど自分がひどい目にあったのか…(笑)。でもそれが、人間じたいの価値を貶めていないのがいいところかも。2019/08/04
たかしくん。
23
ちょっとしたマイブームで、シェイクスピアを数作品読みましたが、これは掛け値なしで面白いです。俗人の恋愛騒動に妖精がちょっかいを出し、あり得ないドタバタが続いて、結局はハッピーエンド。最後のいたずら妖精役のパックの口上で、幕が降りるところは、ちょっとジーンと来ました。2014/06/02
クマシカ
18
深い意味を追わずにただ楽しんで読める作品。妖精のおせっかいと勘違いで恋人の愛を失ったり、逆に熱烈に愛されて戸惑ったり、誰が誰を好きなの?と混乱する展開。ハッピーエンドとはいえ、振り回され屈辱的扱いを受けたヘレナが不憫でならない。夢から覚め全て忘れていたらいいけれど。男の心変わりでヘレナとハーミアの友情があっさり崩れるのもリアルだ。劇中でさらに劇を演じているという面白い最後。詩が韻を踏んでいて素晴らしいとのこと、原文で読んでみたい。実際演劇を見るとしたらメルヘンで歌や踊りが楽しそう。2022/10/22
しゅん
17
本作のキモは妖精たちによるメタ視点の導入だろう。彼らはストーリーを操作しようとしてしくじり、その結果として全体のストーリーが出来上がる。メタ意識は『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』からの引用を生み出す。これは悲劇を作家自身が笑い飛ばす喜劇だ。その試みはシェイクスピアと同じ日に亡くなったといわれるセルバンテスが『ドン・キホーテ』第2部に「ドン・キホーテを読んだ人物」を登場させたことと共振しており、テクストの複層性を考えると本作はある種小説的な作品といっていいのかもしれない。2017/06/04
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