- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
339
シンベリンはタイトルロールを担いつつ、影が薄い(特に前半)。主人公はどう見てもイモージェンだろう。また、この劇は悲劇に分類されることもあるらしいが、悲劇としての要素には乏しく、むしろハッピーエンドである。内容からすれば、やはりロマンス劇だろうか。劇の展開も速く、ヤーキモーの姦計やイモージェンの男装など趣向も盛りだくさんである。またクロートンが狂言回し的な役割を担うなど、運びはいたって軽やか。ただ、様々な要素を詰め込み過ぎた感もあり、主題の行方が定かではない。2022/03/31
まふ
105
ロマンス劇の中でもプロットが他に比し単純でなく複線的で、読みものとして面白い。主人公のポステユマスや、シンベリンなどが讒言などをすぐに信じる「単細胞」であるところがいかにもシェイクスピアらしいが、全体的になかなかに凝ったストーリーである。ローマ統治下のブリテン王国という設定もスケール感があって好ましい。シェークスピアにほとんどの場合出てくる「人物入れ替え」等の手段が今回は一時死んでしまう「飲み薬」。総じてこの物語はシェークスピアの中でも自分好みの作品と言える。2023/10/26
Major
56
シェイクスピアの後期ロマンス劇の一つである。悲劇的な設定から始まりながらも、最後には奇跡的な和解と再生へと至る複雑な構造を持つ。巻末の記述によれば、本作は1611年頃に初演されたと推測されている。初期の批評家(サミュエル・ジョンソンなど)からは「一貫性の欠如」を批判されることもあったらしい。しかし、近代以降はその「許しと再生」というテーマが再評価されている。作品の核心にあるのは、国家間の紛争(ブリテンとローマ)と家庭内の不和が、最後には平和へと統合されるプロセスである。→ 2026/03/03
かふ
23
これはシェイクスピアが全てつくったのではなく共作ということだった。共作部分もシェイクスピアのそれまでの作品の影響を受けているようで(パロディ劇としているが)シェイクスピアをよく知る人物が関わってると見る。セリフはシェイクスピアより劣っていると言うので弟子筋なのかと思う。ロミジュリの薬の話から悪女の王妃、ハムレットの亡霊、男装する姫とか最後の強引なまとめが『終わりよければ全てよし』のようだった。善悪がはっきりしているのが登場人物が多すぎる。中心になるのは姫のイモージェンで貞操を試す劇となっている。2023/12/18
ネロ
16
色々ツッコミどころはあるものの、あまり有名でない作品の割に面白かった。幾つものほつれる紐を王シンベリンの前で一度に解決をみるの様は、流石シェイクスピア劇といった感じ。タイトルは、令和とか平成と同じ扱いなんだと思ってシンベリンの脇役振りに目を瞑る。2023/01/11




