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内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
97
「シーザー」「クレオパトラ」と並ぶローマ劇の最後の物語。武骨かつ一本気で民衆の暗愚を嘲弄する貴族主義の主人公コリオレーナスが世の中の動きについてゆけないままに自滅する。腕っぷしと戦略はめっぽう強いが単細胞で気が短いこの男の末路が平和裏に終わるはずがない。今日の世界の政治家たちにも多くの同類がいるような気がして興味深い。母親のヴォラムニアの説得に負けるこの男も単純だが、この母親の意見が世の中の「常識」を伝えているような気がした。この作品は政治劇的側面が強くこれまでもいくつかの派生的作品が生まれたらしい。2023/10/29
syaori
51
舞台は共和制初期のローマ。主人公のコリオレーナスは優秀な将軍であると同時に、軍人としての価値観からしか世界を見ない尊大な人物で、彼の言動を巡って先鋭化してゆく護民官(共和制)と元老院(貴族制)の対立を追って劇が展開します。これを通して描かれるのが、鼓吹や情勢により「くるくると心変わり」して短絡的に政治を動かす大衆や、それを利用して彼を追放し、また殺す政治家たちの姿で、シェイクスピアがこの傲慢な男の悲劇によって顕現させるこの政治体制の姿は、400年後の今もまだひどく今日的な色彩を保っているように思いました。2026/04/22
Major
38
【Note1】世界文学の珠玉中の珠玉と言っても決して過言ではない、かの四大悲劇を書き終えた後、一体シェイクスピアの天才は何をこれ以上に書くというのかと思っていた。どうやらこの天才の辞書にはredundancy (蛇足)もrubbish(駄作)も無いらしい。本作品もまた傑作である。シェイクスピア全作品中登場人物は少なくとも1200人以上と言われている。魔女、妖精や妖(あやかし)の類まで含めれば、さらにその数は増すだろう。→2026/03/05
Major
37
Note1では、本作の本質が単なる政治劇ではなく、《個人の孤高な魂》と、それを育み、かつ拘束する《共同体との断絶》が主題であることを述べた。それをよく描出している二つの場面における格調高い弱強五歩格(iambic pentameter)のコリオレーナスの台詞(詩行)を取り上げた。しかし、シェイクスピア後期の作品である本作は、全体的には弱強五歩格(iambic pentameter)が崩れ、より自由で力強い、あるいは断絶的なリズムが目立つようになる。→2026/03/06
Major
34
Note4: 【3. 情念による理性の崩壊】最終的に、コリオレーナスの鋼の意志を打ち砕くのは、敵対する軍勢でも理知的な対話でもなく、母の涙という「情動」であった。彼は母の嘆願に屈し、ローマへの復讐を断念するが、それは同時に戦士としての彼の死を意味していた。→2026/03/06
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