- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
394
初演は1604年か。だとすれば、『ハムレット』や『ヴェニスの商人』などよりも後。けっして初期作品とは言い難いだろう。それにしては全体の劇としての完成度が低く見える。登場人物たち、とりわけ苦境に立たされているクローディオや、その妹のイザベラの葛藤が高まりを見せないままに終結してゆくことがそうである。また、公爵のイザベラへの唐突な求婚も納得しがたい。他にも、こうした欠点めいたものは多々指摘できるのだが、そもそも悲劇と喜劇とでは、その構成原理が根本的に違っていたのだろうか。2022/01/02
まふ
104
自分の留守に代理者がどのような振舞をするか試す、という筋書きは他の作品でも出てきたように思う。公爵の神父への変装やアンジェロの改心などもぎごちなく、公爵の最後の裁定なども唐突であり、劇全体のぎくしゃく感が気になった。エリザベス2世が崩御したころ(1604年)の比較的後期の作品であり、ネタ切れを想起させるようなパターン化されたシナリオによる作品である。シェークスピアもくたびれていたのかもしれない。2023/09/14
Major
46
【Note3】3. 言葉遊びの台詞:汚濁と聖性の混淆 本作における言葉遊び(Puns)は、主にポンピーやルシオといった市井の「ならず者」たちによって担われる。彼らの卑俗な冗談は、アンジェロやイザベラが掲げる「高潔な倫理」の偽善性をあぶり出す役割を果たす。例えば、女衒のポンピーが法の裁きを逃れようとする際の言葉遊びがある。→2026/03/12
Major
38
【 Note2】3.カズーラを入れた効果について: カズーラ(行の途中の休止)は、単なるリズムの調整ではなく、イザベラの心理状態と弁論術を強調する役割を果たしている。❶ 「肯定」から「痛烈な批判」への急転換:第1行の「O, it is excellent」の直後にあるカズーラは、聴き手(アンジェロ)に「お、褒められたか?」という一瞬の隙を与える。しかし、その休止を挟んで続く”To have a giant's strength”によって、それが皮肉の前提であることが明かされるのだ。→ 2026/03/12
Major
38
1604年に宮廷で初演された。17世紀後半から18世紀にかけては、ウィリアム・ダヴナントによる『掟の掟』など、道徳的・喜劇的側面を強調した改作が主流となった。19世紀以降、特に20世紀に入ると、人間の二面性や権力腐敗、ジェンダー問題を鋭く突く「問題劇」としての価値が再発見された。ピーター・ブルック(1950年)の演出は、残酷さと慈悲の対比を際立たせ、現代的上演の指標となった。日本では、文学座や彩の国シェイクスピア・シリーズ等で繰り返し上演されている。→2026/03/12
-
- 和書
- わかりやすい通信工学




