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内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
108
ロビンフッドのシャーウッドの森を想起させるアーデンの森という魅力的な場所設定と無条件のハピーエンドで人気の高い喜劇。公爵位簒奪者の弟フレデリックや優秀な弟オーランドーを妬み苛める名家の長兄オリヴァーなどの曲者がある日突如「改心」して善良となり、領地を返したり、家督を譲ったりする不自然さ、強引さは気になるが、男装したロザリンドとオーランドーとの「恋の掛け合い」も楽しく、道化のタッチストーンも、また田舎者のウィリアムもそれぞれ伴侶を見つけてみんな幸せになり、何だか楽しく、「性善説」を信じたい気分になる。2023/09/02
かふ
20
4/23はウィリアム・シェイクスピア没後405年の命日で読み始めた。シェイクスピアの喜劇は初めて読む。元祖ラブコメだ。兄弟の権力争いの中で森に潜んだ追放の兄の物語はそれまでのシェイクスピア劇だけど女性が活躍する劇は初めて読んだ(シェイクスピアで)。脇役的に活躍するのはマクベス夫人とかいるけど、この劇での中心ロザリンドは男装した女性。そして当時は男が女を演じたから二重に捻れ構造だった。でも結婚がテーマだから男から観た結婚観なのかもしれない。2021/04/25
しゅん
20
男が森の中で恋愛に懐疑的な少年に出会い、彼に対してある女性への愛を語るのだが、実はその少年こそ男が夢中になっている当の女性ロザリンドの変装であり、彼女は男の愛の真実さを確かめる為に恋愛の否定的な側面を列挙していく。『十二夜』同様の男装ものだが、こちらはよりソフィスティケイトされた品の良い会話劇としての味わいが楽しめる。ロザリンドが観客に向けた幕切れの口上、「ご婦人を愛するようにこの芝居を可愛がってください」はとても印象的な名台詞。2017/06/04
あむぴの
19
ふわふわしてるなーと。「この世界はすべてこれ一つの舞台」のところのセリフが好き。1983年10月、白水社。2018/10/28
まえぞう
11
またシェイクスピアです。解説にもありましたが、この作品は、最も品のいい喜劇だと思います。一気に読めますし、読後感がとてもすがすがしいです。2016/02/15