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内容説明
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
119
4大悲劇のひとつ。イアーゴの口車に操られてあまりにも無能なというべきか単細胞というべきか、まるごと単純に信じ込むオセローが実に「あはれ」である。経済学における「完全競争」が荒唐無稽であると同じようにオセローの反応は実に純粋に「荒唐無稽」であった。これも最後の修羅場への長い導入部であると思えば、シェークスピアの意図通りに読者ないし観客は有無を言わさず誘導されるわけである。悪役のイアーゴが主役のオセローを完全に食って足腰立たずの状態にしてしまったまさにシェイクスピア会心の名作である。2023/12/04
ehirano1
68
ロドリーゴー「・・・だけどどうしようもないんだ、おれの性格では。」、イアーゴー「性格!そいつは不正確だぜ!人間、これこれの性格でございますと言ったって、おのれ次第でどうにでもなるのさ(p50)」、と。この“巧さ”には膝をバンバン叩いて呻ってしまいました。2017/11/18
Major
43
【「言葉」という毒と「想像力」の陥穑(かんしゅ) ―『オセロー』における悲劇の構造―】(Major. 2026.3.30)「デズデモーナ (歌う): あわれあの娘は カエデのかげで 溜息ついて歌ってた ああ青い 青い柳 胸に手を当て かしげた首を お膝にのせて 歌ってた ああ柳 柳柳 そばを流れる 小川の声も あの娘の嘆きを歌ってた ああ柳 柳柳 したたる涙に 無情の石も あわれを感じて 歌ってたー…」(第4幕 第3場)死を予感した彼女が歌うこの古謡は、悲劇の到来を告げる美しい葬送曲である。→2026/03/30
Major
41
「言葉」という毒と「想像力」の陥穑(かんしゅ) ―『オセロー』における悲劇の構造(1)― Major.2026.3.30 《はじめに》シェイクスピアの四大悲劇の中でも、『オセロー』は極めて特異な作品である。国家の存亡や王位継承といった壮大な背景を持ちつつも、その本質は「嫉妬」という極めて個人的で卑近な感情が破滅を招く「家庭悲劇」の側面が強いからだ。以下、上演史、名台詞、言葉遊び、そして人間観の四つの観点から、本作の魅力を論じる。 →2026/03/30
藤月はな(灯れ松明の火)
34
シェイクスピア四大悲劇の内、この作品だけは今まで読んでいなかったのでやっと、読むことにしました。「嫉妬は緑色の眼をした怪物」という一文が強烈な悲劇。でもその根底にあったのはどんなに実力があり、理解者や高潔な気品があっても「黒人」というだけで差別された人間が疑心暗鬼にならざるを得ない過程だったのではないか。主人だとしても征服者である白人に仕えることは、オセローの「一人のムーア人」であり、武人としての名誉を永遠に損ねているという思いがあったのではないだろうか?男から娼婦呼ばわりされる女達が気の毒過ぎる2016/06/30




