角川選書
小町伝説の誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 279p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047033641
  • NDC分類 911.132
  • Cコード C0395

内容説明

小町伝説は誰によって作られ、どのように改変され、伝えられてきたのだろうか。秋田県の雄勝町には小野小町の生涯にまつわる多くの伝説が残されている。これを詳細に検討すると、その背後には江戸期の俳人たちや明治時代の文学者など、さまざまな語り手の存在がうかがえる。変化する伝説の生態を明らかにし、日本文化の基層にするどく迫る画期的な試み。

目次

第1章 小町は秋田生まれか
第2章 菅江真澄と雄勝の小町伝説
第3章 更新され続ける小町伝説
第4章 伝説の語り手―小町・奪衣婆・巫女
第5章 小町伝説の誕生
第6章 覚厳院の成立と移動する小町像
第7章 小町、神となる
第8章 東北各地の小町伝説

著者等紹介

錦仁[ニシキヒトシ]
1947年、山形県生まれ。東北大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。聖和学園短期大学助教授、秋田大学教育学部教授を経て、現在、新潟大学教授、現代社会文化研究科(博士後期課程)主担当。専攻は中古・中世文学
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感想・レビュー

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うえ

8
小町伝説の虚実と変遷を中世から近代まで追う。「小町伝説は真澄がはじめて雄勝を旅した天明五年ごろまでは、村人の共同体を内部から支える一種の信仰対象としてあった、と見てよいだろう。小町伝説は農業・医療・信仰などと深く結び合い、村人の生活と共同体を支えていた。小野小町は村人の生活の営みのなかに存在していた。知識人や文人のためのものとしてあったのではない。ここが重要だ。父親と交わった、あるいは牝鹿の子であったという仏教的な罪障・因果をテーマとする因縁譚も、村人の生活のなかに息づいていた。」2021/11/11

takao

2
江戸期に作られた2021/06/26

たけとり

1
とある場所の小野小町伝承を具体例として、如何にその伝説が作られていったか、という過程を史料を元に紐解いていった本。何故そういう伝承が誕生していったのか、という過程がなかなか興味深く。平和になって交通や書籍の流通が活発になった江戸時代に現代と大差ない誇張が行われた結果、百年以上経った現在では伝承が確定事項となり、ちゃんと検証しないと史実扱いになってしまうというのは興味深かったです。2014/04/29

kinaba

0
小野小町そのものの話ではなく、彼女を語る伝承がどのように生まれて変遷していったかを江戸時代あたりから遡って調べる。面白かった。2016/08/19

Kaname Funakoshi

0
全国各地に残る小野小町の伝説のなかで、特に秋田の雄勝に着目し、小町伝説がどのように作られ、どのように変化していき、どのような話が残ったのかを詳細に調査している。ある意図を持った伝説の編集者がいれば、そこで伝説は分断するし、比較的新しい当たり障りのない話だけが残ることになる。おそらくそれは小町伝説だけでなく、一般的な神話や伝説についても同様のことが言えるのだろう2016/06/24

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