内容説明
日本人が最も消費する魚・マグロ。昭和40年代、その漁獲量が頭打ちとなり、安定供給の危機が迫った。そのとき、立ち上がったのは近畿大学水産研究所の男たち。戦後、ハマチやタイ、ヒラメなど、海魚の養殖技術一筋に生きてきた研究者。「海のダイヤ」の異名を持つマグロの王様・クロマグロの完全養殖に乗り出した。世界初の挑戦。魚は共食いや謎の衝突死で全滅するばかり。それでも、30年の苦闘の末、見事、初出荷に成功する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あきあかね
17
戦災で焼け落ちた名古屋城の再建、船が錯綜する東京湾の安全のための海上交通システムの創出などいずれのプロジェクトも印象深いが、圧巻はやはり黒四ダムの建設の話だった。延べ一千万人が携わった未曾有の規模だけでなく、その過酷さも凄まじかった。「黒部にけがはない」という言葉のように、峻厳な黒部峡谷では事故は即、死を意味した。資材を運ぶためのトンネル工事では脆弱な破砕帯に遭遇し落盤に怯え、溢れ出る雪解け水に凍える一方、火山帯にぶつかった地下導水路建設では百度の熱湯が吹き出す灼熱地獄となる。⇒2021/10/30
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