内容説明
都会暮らしの憩いの場として、家庭の主婦が働きやすい空間として生み出された「ダイニングキッチン」。人気を集めた「ステンレス流し付き公団住宅」のプロジェクトと、その背景にあった夫婦愛の物語を伝える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
89
戦後の昭和という時代に高度経済成長期があった。敗戦後の貧しい日本をマン・パワーで切り開いた。将に戦う企業戦士たちであった。名も知れず名声や権力などを欲せず、ただただ黙々と過去な労働をこなし、世界に通用する経済大国を造った人達―― いわゆる団塊の世代に当たる彼ら・彼女らは、ある意味戦争という負の遺産をバネにして総てを省みずに働いてきた方々がであり、自分たちの両親の世代に当たる人も多いと思う。客観的に観れば、滅私奉公的なイメージが憑き纏ってしまうが、少なくと彼らがいなければ今の日本は無かったと断言できる。2015/06/01
TATA
34
♪風の中のすばる〜。何度も繰り返される脳内再生。ある種伝説のテレビ番組の珠玉のエピソードを書籍で読む。まあ、やっぱり映像ではなくその分淡々という感じですが、だからと言ってその内容が毀損するわけもなく読み応えはあります。富士山頂の気象アンテナ、青函トンネル、VHSと日本人が苦心惨憺したインフラ開発の歴史の数々。今の私たちの生活は先人達の苦労の上にあるわけですよね。2024/04/27
mitei
28
ホンダの章辺りを読んだが、若手が台頭して本田宗一郎が引退を決断するところが哀愁をただよってるなぁと感じた。2011/07/26
あきあかね
27
住宅難が続く戦後、予算と空間の厳しい制約の中、ダイニングキッチンを備えた良質な公団住宅を世に送り出した、日本住宅公団(現UR都市機構)。巨大台風から日本を守るため、富士山頂に気象レーダーを作り上げた気象庁と民間事業者。立ちはだかる難問に対して、幾度も試行錯誤を繰り返しながら、チームで乗り越えようとする姿に胸が熱くなる。 中でも、海底部だけで23kmに及ぶ青函トンネルのプロジェクトの厳しさは尋常ではなかった。船の墓場と呼ばれる津軽海峡の荒海の100m下、絶えず溢れ出る水と闘い、当初の10年の工期を遥かに⇒2020/07/10
プレジデント
4
以前NHKで放送していた番組の本です。 その当時は不可能とか無理だと言われていたことに挑戦し続けた人たちの話です。 読んでいると、中島みゆきの主題歌「地上の星」が聞こえてくる気がしました。2012/10/01
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